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道路上に車線規制の矢印を投射できる小型ライト。DNPが販売開始

矢印パターンを投影することで後方車両へ注意喚起

大日本印刷(DNP)は、ラインや矢印などの高精細な“パターン光”を遠方まで投影できる小型照明装置「DNP高視認性パターンライト」の試験販売を11月に開始する。

「低消費電力でも遠方まで高輝度なパターンの投影が可能」「持ち運びが簡単で、幅広い用途に対応」「レーザー製品安全規格のクラス1に準拠」といった特長を持つ製品。256×50mm(全長×直径)で重量は約600gと小型ながら、設置角度により数mから約100m先まで投影できる。

DNP高視認性パターンライト

試験販売で提供するライトは、直線(ライン)と矢印の2つのパターンが使用可能。充電式のため、常設電源がない場所でも利用できる。使用可能時間は連続照射モード最大3時間、点滅モード最大6時間(内蔵バッテリー使用時)。DC 5V出力のモバイルバッテリーで給電しながらの使用にも対応。

インフラ・建設分野での区画線整備車線の作図工程(墨出し作業)のラインマーカーや路上における車線誘導ガイド、施設内での災害時の避難誘導、スタジアムや商業施設での道案内といった利用を想定。そのほか工場作業場での安全確保や、ロボットに搭載して周囲に存在を示す照明装置にも利用できる。

レーザー製品の安全規格であるJIS C 6802のクラス1に準拠。レーザー機器管理者の配置やインターロック機構、製品へのアクセス制限などの特別な対策を必要とせず、一般的なLED灯具と同様の使い方ができる。

DNPは2019年に、さまざまなパターンを遠方まで光で明瞭に表示できる「DNP高視認性パターンライト」を開発。インフラ・建設、警備・監視、工場の自動化、屋内外のデザイン照明など、多様な分野で試験的に提供してきた。特に、道路区画線整備の工事で、必要な基準線・区画線等を路面上に示す「作図工程(墨出し作業)」では、作業時間を70%以上短縮し、作業コストを75%以上削減できることが確認できているという。

また、高速道路の規制工事区間の手前で、車両のスムーズな車線変更を促す取り組みでは、既存の自発光式の予告看板と高視認性パターンライトとの組み合わせが、ドライバーに直感的で分かりやすく車線誘導を促進する技術として効果が認められているとし、このような作業の効率化やコスト削減、車線誘導技術などのニーズに応える。

試験販売を通じて企業・団体からのニーズを収集した上で、2023年度の量産販売を目指す。