ニュース

最新型「ホンダジェット エリート II」

ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は、小型ビジネスジェット機「HondaJet」の最新型「HondaJet Elite II」を米フロリダ州オーランドで開催される世界最大のビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション」で発表した。

燃料タンクの拡張および最大離陸重量の増加により、航続距離を1,547ノーティカルマイル(2,865km)に延長(従来のHondaJet Eliteから204km増加)し、より遠くの目的地へ移動することが可能になった。機体構造としてはグランドスポイラーを主翼に初搭載し、着陸時の機体ハンドリングと安定性を向上させている。

空の領域における新たな安全技術の取り組みとして、最新の自動化技術である「オートスロットル機能」と「緊急着陸装置」を2023年末までに導入。HACIはこれまで複数回に渡るアップグレードによって最新の安全機能をアビオニクスシステムに搭載してきたが、この2つの自動化技術の導入により、パイロットの負荷を軽減するとともに、機体運用の安全性をさらに向上する。

外観デザインは「Black Edition」(特別色)を新設定。内装にはモダンなグレーを基調にした「スチール」と暖かみのあるベージュを基調にした「オニキス」の二つのデザインを加えた。機内通路の床材には従来のカーペットのほか、木目調のデザインも選択可能。機内壁の遮音材も刷新し、機内に流れ込む風切り音を抑え、ノイズ低減の工夫を施したことでキャビン全体の静粛性を向上した。

持続可能航空燃料100%を使用したテストに成功

GE Honda エアロ エンジンズは、HondaJetに搭載するHF120ターボファンエンジンにおいて、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験を実施。既存航空燃料と同等の性能を発揮できることを確認した。

HF120ターボファンエンジン

SAFは航空領域でのCO2排出量を削減し、カーボンニュートラルを達成する手段の1つとして注目されている燃料。SAFの利用は米国材料試験協会による認可制で、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められている。現在の上限は50%だが、今回の試験の成功をうけ、将来的に100%のSAFを使用できる可能性が確認できたとしている。

試験では、100%SAFをHF120で使用した場合のエンジン性能への影響を既存のジェット燃料と比較して評価。SAFには、現在最も普及しているHEFA-SPKを使用し、地上でのエンジン試験をゼネラル・エレクトリックの設備(米国オハイオ州ピーブルズ)で数日間に渡り実施した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の性能が確認できたという。