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オカムラ、カゴ車“片持ち”で小回りが利く自律移動ロボット

オカムラは、物流施設でカゴ車を使用した工程間搬送や整列配置の自動化を実現する自律移動ロボット「ORV:Okamura Robot Vehicle」を9月に発売する。

物流倉庫で活躍する従来の無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)は、床面に軌道となる経路テープやマーキングが必要なため走行軌道の変更に手間が掛かる、軌道上の障害物を避けて走行できないといった課題があった。特に、カゴ車の移動、搬送は、かなりの重量物であることに加え、数量、回数が多いことから、多くの物流現場で自動化が難しかった。

「ORV」は、SLAM技術を活用し、センサーで周囲の環境を把握して周辺地図の作成と自己位置推定を行ない、目的地まで最も効率的なルートを移動可能。走行ルート設定の自由度が高く、床面工事や経路テープやマーキング、ルート設定のためのランドマークなどが不要で、レイアウト変更や動作エリアの拡張に柔軟に対応できる。

AIによりカゴ車を自動認識して取りに行き、マーキングや人の手による位置合わせなしで、カゴ車の片側を自動でつかみ上げることができる。カゴ車の片側をつかみ上げる「片持ち方式」で移動するため、その場旋回など小回りが利き、カゴ車と一体となったバック走行も可能。

カゴ車を自動認識
片持ち方式で移動
旋回半径が小さい

走行中は、障害物を検知して回避するが、狭い通路では回避ではなく一時停止をするなどルートに応じた動作設定ができる。

目的地に着くと、カゴ車と一体になったバック走行で整列配置を行なえ、トラックバース前の出荷待機や垂直搬送機などへの搬送が可能。

自動充電機能を備え、充電が必要になると設置している給電装置に自動で向かって充電する。また、IoT遠隔監視システムにより、稼働データをクラウド上にアップロードしており、現場で不具合が起きた際にはログデータを基に離れた場所から調査できる。

最高速度は60/分(単体走行時)、40m/分(カゴ搬送時)。最大可搬質量は300kg。充電時間は約1時間で、連続稼働時間は5時間。本体サイズは640×930×500mm(幅×長さ×高さ)。