ニュース

カードの“前後”の課題を解決。LayerXが「バクラクビジネスカード」

LayerXは、請求書受領サービスなどの「バクラク」シリーズと連携する法人カード「バクラクビジネスカード」を8月から提供開始する。利用料無料で、即日追加発行、最大1億円決済可能な与信枠などの特徴に加え、バクラクシリーズとの連携により、業務の大幅な効率化を図るという。26日から事前受付をスタートし、8月に先行ユーザー向けに提供開始。9月以降に順次提供を拡大する。

「バクラク」シリーズは、2021年1月の「バクラク請求書」から始まり、「バクラク申請」「バクラク電子帳簿保存」「バクラク経費精算」など、ソフトウェアテクノロジーとユーザー体験にこだわり、法人支出に関わる業務の効率化を推進。シリーズ累計で2,000社以上が採用している。

最近ではECサイトやクラウドサーバー、SaaSツールなどの普及により、法人支出におけるクレジットカードでの支払いが増えている。一方、日本国内の中小企業における法人クレジットカードの利用率は2割程度で、事業用決済におけるカード決済の割合は1%程度と低い水準となっており、今後の拡大が見込まれる。

そのため、現場の従業員が柔軟に利用でき、経理が使いやすく、管理もしやすい「次世代法人カード」として「バクラクビジネスカード」を開発した。

バクラクビジネスカードは、Web上で即時にカード発行でき、役員用・事業部用など用途別に発行・利用できる。また、事前申請の金額に応じたカード利用上限設定や、Web上での即時利用停止、さらにバクラク上のカード利用明細と事前申請の自動で紐付けなどに対応する。

国際ブランドはVisaで、利用限度額は最大1億円。与信枠はバクラクシリーズの利用状況なども反映。「企業の運営実態に近い与信判断」が行なえるという。

高額なサーバー費用や広告支払いも可能。3Dセキュアにも対応する。なお、リアルカード(プラスチックカード)は2022年内に発行開始予定で、サービス開始時はバーチャルカードのみになる。バーチャルカードはバクラクのサービス上で発行し、申し込み・本人確認・カードの発行・利用枠の変更がすべてWeb上で完結できる。

最大の特徴は、利用明細の会計処理がラクになること。カード利用後、即座にオンライン上で明細を確認し、年内にはカード利用明細と事前申請を自動で紐付け可能になる。また、会計ソフトインポート用のCSV出力に対応するほか、年内にはfreee会計とMoney Forwardクラウド会計にカード明細が自動連携する。

利用する“前後”の業務もラクになる「バクラクビジネスカード」紹介動画

カード利用の“前後”の課題を解決する

バクラクビジネスカードについて、LayerXの福島良典CEOは「決済ビジネスをしたいわけではない。カード利用の“前後”のサービスの課題を解決する」とビジネスカード参入の理由を語る。

LayerX 福島良典CEO(左)、バクラク事業部 プロダクトマネージャー 秋田康男氏(右)

バクラクシリーズでは、請求書・申請・経費精算など、法人支出管理(BSM)としてのポジションを強化してきた。その流れの中で、決済を担うビジネスカードという仕組みが必要となった。

法人支出には、「請求書」「経費精算」「法人カード」の3パターンが存在し、請求書と経費精算はバクラクシリーズでカバーできている。逆に言えば、法人カードが”足りないパーツ”だった。

また、請求書や経費精算、法人カードなど異なる仕組みだと利用する従業員の混乱も予想され、結果管理コストや可視化コスト、統制コストが上がる。こうしたことから法人支出管理としての法人カードが必要で、BSMで先行する米国では支出SaaSと法人カードの統合が進んでいるという。そのため、法人支出管理としてのビジネスカード普及を目指す。

また、これまでの法人カードでは、「利用までの稟議が面倒」、「従業員にカード番号を教えたくない」といった課題があった。バクラクビジネスカードは、バクラク上における稟議と連動し、個人や用途ごとに限度額が設定できるなどの利用コントロールに対応。従来の法人カードにおける課題を解決する。なお、バクラクビジネスカードの実現には、インフキュリオンのカード発行プラットフォーム「Xard」を採用している。

バクラクは2023年3月末に3,000社超の導入を目指しているが、「かなり上ブレして達成見込み」という。バクラクビジネスカードについては1年後の'23年8月を目処に1,000社超での導入を目標としている。