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「Yahoo!マート」開始。15分で食料品・日用品を配達

ヤフー、アスクル、出前館のZホールディングスグループ3社は日用品のクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL(Yahoo!マート)」を1月26日から開始する。専用店舗の約1,500点の商品を最短15分で配達するサービスで、都内の8店舗からスタート。2022年度中に都内23区全エリアと他のエリアに拡大し、数十店舗規模の出店を目指す。

「Yahoo!マート」は、「出前館」アプリとWebから利用する。出前館アプリにアスクルが販売する食料品や日用品を中心とした約1,500種の商品を展開し、アプリから注文・決済すると、最短15分で商品を受け取れる。注文を受けた後、出前館の配達員が都内の専用倉庫(店舗)で商品を受け取り、指定された配達先に自転車やバイクで商品を届ける。

26日時点では、大山店、代々木上原店、箱崎店、横川店、三田店、神楽坂店、大久保店、上野店の8店舗。店舗での販売は行なわず、出前館の配達員がピックアップのために訪れるいわゆる“ダークストア”的な位置づけになる。配達対応エリアは出前館のサイトで確認できる。

Yahoo!マートの手数料はなく、最低注文金額は800円で送料420円、1,500円以上の注文で送料310円となる。1月31日までは出前館で送料無料のキャンペーンを行なっているため、Yahoo!マートにおいても1月中は送料無料で利用できる。

本格サービス前の実証実験では、食料品のほか、日用品、チルドなどの商品も好調で、1月24日から代々木上原店、26日から三田店において青果品の取り扱いを開始。また29日からは、大山店を除く7店舗において、1日限定で全国駅弁フェアも実施する。

ZHDグループは2021年7月末から食料品や日用品を即時配達する実証実験「PayPayダイレクト」を開始し、都内8店舗まで拡大していた。実証実験では、10月から12月の2カ月で月間注文数が10倍に増加し、出前館における12月の店舗別売上ランキングの1位も獲得。ユーザーからも評価を得ており、食料品や日用品などの「今すぐ欲しい」というニーズの大きさを確認したという。

そのため、「Yahoo!マート」に名称変更し、クイックコマースを本格展開する。

出前館との連携においては、フードデリバリーの注文が少ないアイドルタイムに日用品・食料品の配達を行なえるため、配達員が終日安定して業務を行なえるなど、「ギグワーカーの労働環境の安定化にも寄与する」としている。

Yahoo!マートのオープンを記念し、「Yahoo!マート オープン記念 820(ヤフー)円
オフクーポン」も2月8日まで実施。820=ヤフーとなぞらえ、サービス内で使用可能な820(ヤフー)円オフクーポンを配布する。利用制限は1回、最低注文金額1,500円以上。

「PayPay」ではなく「ヤフー」の理由。日本のデリバリーは確実に拡大

ヤフーやアスクルなど、ZHDグループのEC展開では、「欲しいものが欲しいときに手に入るお買い物体験」の実現を目標に展開し、商品数や配達手段などを拡大している。ヤフーショッピングやPayPayモール、LOHACOなどのサービスも日々商品を強化しているが、コロナ禍で顕在化してきた「いますぐ欲しい」というニーズの対応が必要になってきたという。

そこで、'21年7月末から食料品や日用品を即時配達する「PayPayダイレクト」の実証実験を開始。10月から12月の2カ月で月間注文数が10倍に増加するなど、確かな需要が確認できたことから本格サービスとして「Yahoo!マート」を展開する。

実証実験では、平均注文頻度が3.7日に1回、1人の月間最高注文が70回、月間最高注文金額が17万円/月と多くの利用があったという。「天候・体調不良時の買い物に便利」「ネットスーパーとコンビニの中間的で使いやすい」などの意見も多く、「間違いなく日本において商品のデリバリーというニーズは拡大していく」(Zホールディングス 執行役員/ヤフー COO事業推進室 事業推進統括部長)として、Yahoo!マートの本格展開を決めた。

なお、実証実験では、PayPayダイレクトの名称だったが、Yahoo!マートとヤフーブランドに改めた。これまでのZHDグループの事業では、オフラインがPayPay、オンラインがヤフーとする傾向があったが、Yahoo!マートでは注文から引き取りまでのユーザー体験はオフラインに近いことや、ヤフーショッピングなど「コマース」のイメージが強いため、ヤフーブランドとした。

商品の仕入れはアスクルが担当し、出前館がデリバリーする形になる。実証実験当初は商品数300からスタートし、現時点では1,500まで拡大。食料品が中心で冷凍・冷蔵などが大きく伸びている。日用品では、洗剤・トイレットペーパー・電池などの注文が多くなっているという。

冷凍にも対応

実証実験のユーザーの傾向としては、食品やお酒からはじめ、リピーターになるにつれて日用品を注文しているという。主に、2-3日で消費する食品(チルド・日配品・冷凍)、お酒、日用品・調味料、お菓子・ソフトドリンクの4つのカテゴリが主流となっている。今後はメーカー協業による独自商品や、イベント・催事などの季節商品、アスクルならではの品揃えを強化し、3,000~4,000点ほどまでの拡大を見込む。