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セブンでEVバイクのバッテリー交換。都がバッテリーシェア実証

東京都は、EVバイクを一般や企業ユーザーが利用した際の環境構築を検証することを目的とした実証実験を、12月14日より板橋区にて開始。出発式を開催した。一般モニターおよび企業モニターを対象にEVバイクを貸し出し、区施設やセブン‐イレブン等に設置した交換スポットでEVバイクの充電済みバッテリーを交換し、シェアリングする実証事業「e-Ride Tokyo」を実施する。

東京都はCO2を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション東京」の実現に向け、新車販売される二輪車を2035年までに100%非ガソリン化することを目指している。バッテリーシェアリング実証事業はそのための取り組みの1つで、都内では初めての実施となる。終了は2022年3月13日。

EVバイクには環境への配慮、静音性という点でメリットがあるが、一方で航続距離が短い、充電時間が長いという課題もある。実証実験は、こういった課題を解決することが狙い。

使用するEVバイクは、一般モニター用がヤマハ「E-Vino」、企業モニター用がホンダ「GYRO CANOPY e:」。1充電走行距離は、E-Vinoが29km、GYRO CANOPY e:が77km(30km/h 定地走行テスト値)。

ヤマハ E-Vino
ホンダ GYRO CANOPY e:

参加モニターは個人向けが30名、事業者向けが10名。これに対してモニターへの応募者数は478名だったという。企業モニターとして参加するのは、出前館、コニカミノルタジャパン、ドミノ・ピザ ジャパン、トップワイジャパン、その他5社。

バッテリーの交換スポットは板橋区施設が3カ所、セブン‐イレブンが9カ所、ENEOSが3カ所。

なお同事業のロゴは、事業に賛同したテレビ東京「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」の協力を得ている。

使用方法はスマホアプリにて、バッテリー交換がスポットの場所や充電状況を確認。行く場所を決めたらルートを表示し、スポットへ行く。スポットにはバッテリー用のボックスが設置されており、扉にはQRコードが貼られている。これを読み取り表示される「バッテリーを交換する」をタップしてボックスのロック番号を確認し、ボックスを解錠する。使用していたバッテリーは同じボックスに入れて、充電する。

アプリ画面
バッテリーが格納されたボックス

板橋区は人口当たりのバイクの数が多い

東京都環境局長 栗岡祥一氏は、板橋区での実施に至った経緯を説明。人口当たりのバイクの数が最も多かったことを理由の1つに挙げ、そのほか、板橋区では電気自動車のカーシェアや、区庁舎を100%再生エネルギーとするなどの取り組みを行なっていることを紹介した。

実証実験については、様々なシチュエーションの人が利用し、使い勝手などの意見をフィードバックしていくと述べた。

板橋区長 坂本健氏は、区では道路の公害の問題を抱えているとした上で、「板橋区地球温暖化対策実行計画(区域施策編)2025」を策定し、取り組んでいることを紹介。実証事業を契機に環境への取り組みを進め、環境都市として住みやすい、安心な街としていくと話した。

また東京都知事 小池百合子氏がビデオメッセージにて、ゼロエミッション東京や実証事業について説明。また、「脱炭素化のためには、関係自治体や都民、企業の皆様など、多様な主体が心を合わせて取り組まなければなりません。『TIME TO ACT』。今こそ行動を加速するときです。脱炭素という世界共通のゴールに向けて、行動の場を広げていきましょう」と述べた。

そのほか、板橋区観光大使を務める俳優・タレントの杉浦太陽さんが、バッテリー交換を体験。その後、一般モニターや企業モニターも参加しての出発式が行なわれた。

杉浦太陽さん
出発式
(左から)栗岡祥一氏、杉浦太陽さん、坂本健氏