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楽天「送料無料ライン」で独禁法違反の疑い。改善で公取委審査終了

公正取引委員会は6日、楽天グループが「楽天市場」出店事業者に対して一律での導入を求めた「共通の送料込みライン」について、優越的地位の濫用にあたる疑いがあり、独占禁止法違反となりうると判断した。楽天は同施策への参加について、出店事業者の意思を尊重するなどの改善措置を公取委に申出し、公取委は楽天による改善措置を実施を確認した上で審査を終了する。

「共通の送料込みライン」は、楽天市場の税込3,980円以上の買い物で一律送料を無料とする施策。楽天は、消費者への価格表示の明確化などを目指すものとし、2020年3月からの導入を進めたが、公取委は独占禁止法違反の疑いで緊急停止命令を申し立てた。その後出店者の申請により不参加を選べるようにしたことで、公取委による緊急停止は取り下げられたが継続審査していた。

一般ユーザー向けの呼称は「送料無料ライン」

これまでの公取委による審査では、楽天の営業担当者から、共通の送料込みラインに参加していない店舗(不参加店舗)に対し、不利にする取扱いを示唆するなどが確認された。具体的には、「検索結果において、不参加店舗の取扱商品は上位に表示されなくなると示唆」「共通の送料込みラインに参加しなければ次回の契約更新時に退店など伝えていた」などの事例が確認されたという。

こうした指摘を受け、楽天グループは出店事業者の意思を尊重し、独占禁止法に違反する行為を行なわないなど、改善措置の実施を申出。公取委は、改善措置の実施を確認した上で審査を終了する予定。