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「経済安全保障へ配慮できず」 LINEの情報アクセス問題で最終報告

LINEの海外子会社における個人情報アクセス問題を受け、親会社のZホールディングスが立ち上げた「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」が最終報告を取りまとめ発表した。報告書では、「LINE社においてガバメントアクセスへのリスク等の経済安全保障への配慮ができていなかった」と指摘し、データ保管やガバナンスの改善を提言している。

今年3月に発覚した、LINEのユーザーの個人情報が、アプリのシステム開発を担う海外の子会社からアクセス可能になっていた等の問題に対する最終報告。

報告書では、委託先中国企業からの業務に基づくアクセスについて、「LINE社においてガバメントアクセスのリスク等の経済安全保障への適切な配慮ができておらず、事後的にもこれを見直す体制が整備できていなかった」と結論。

また、一部データが韓国のデータセンターに保存されていたにもかかわらず、対外的に「LINEの個人情報を扱う主要なサーバーは日本国内にある」という不正確な説明をしていたこと、中央省庁等に対して、「LINEアプリの日本ユーザーに関する全てのデータが『日本に閉じている』」旨の事実に反する説明を一部で行なっていたことを、「LINE社の社会的な信頼を損なうものであった」と指摘し、対外的なコミュニケーションについて、LINE社が客観的な事実を誠実に伝え、ZHDが主体となって、「ユーザー目線での横と縦のガバナンス」を適切なバランスで構築することを求めている。

委員会では、政策渉外、経済安全保障、セキュリティ、プライバシー、リスクマネジメントの各領域の強化をZHDに要請。グループ全体で、複眼的な監督体制を構築するよう求めている。