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「弥生 22シリーズ」発売。インボイスや電子帳簿保存対応など

弥生は、会計・給与・商取引などのバックオフィス業務の効率化を図る業務ソフトウェアの最新バージョン「弥生 22シリーズ」を、10月22日に発売する。

弥生22シリーズは、「やよいの青色申告 22」「弥生会計 22」「やよいの給与計算 22」「弥生給与 22」「やよいの見積・納品・請求書 22」「弥生販売 22」「やよいの顧客管理 22」の7製品。

「やよいの青色申告 22」「弥生会計 22」は、令和3年分の所得税確定申告に対応。青色申告特別控除65万円を受けるための要件、e-Taxによる電子申告、電子帳簿保存などにも対応し、作成した申告データは「確定申告e-Taxモジュール」を使用して、国税庁のe-Taxソフトを使わず、直接e-Tax送信できる。

「やよいの給与計算 22」「弥生給与 22」では、令和3年分年末調整に対応。また、国税庁による「年末調整控除申告書作成用ソフトウエア」から出力された申告書データを弥生製品へ転記する「年調ソフト連携ツール」も11月から提供予定。

「やよいの見積・納品・請求書 22」「弥生販売 22」では、2023年10月施行の「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」に対応した証憑の作成と印刷が可能。税率ごとの消費税額を自動で集計して印刷できる。適格請求書発行事業者の登録番号も設定、印刷可能。

弥生会計ラインアップの自動取込・自動仕訳機能「スマート取引取込」は、法人口座2,100件以上を含む、全国3,600件以上の金融機関に対応。また、AIによる推論精度の向上やUI/UXの改善により業務効率化の促進を図る。

価格はオープンプライスだが、前年の弥生21に近い提供価格になる見込み。また、Windows 11にも対応予定としている。なお、弥生22シリーズから、環境への配慮のためプログラムディスク(DVD-ROM)の同梱を廃止した。

あわせて、会計事務所の記帳代行業務を自動化・効率化するサービス「記帳代行支援サービス」の導入企業がサービス開始から1年で550以上となったことも発表。会計事務所は領収書や預金通帳などの紙証憑をスキャンし、アップロードするだけで、自動仕訳された状態で「弥生会計 AE」へ取り込めるようになり、顧問先の記帳代行業務を効率化できる。

弥生は「事業コンシェルジュ」を目指す

弥生の岡本浩一郎社長は、弥生シリーズのデスクトップアプリとクラウドサービスの両輪が伸びており、ユーザー数も250万を突破。デスクトップのシェアは65.5%、クラウドは57%のシェアを確保しているという。また、会計事務所とのパートナーネットワークも11,000事務所を突破した。

弥生が今後強化するのは、弥生シリーズに加え、業務支援サービスや事業支援サービス。業務支援サービスでは、前述の記帳代行など、事業者や会計事務所の実務に沿ったサービスを提供していく。

事業支援サービスは、3月にスタートした「起業・開業ナビ」や、11月以降スタートの「資金調達ナビ」、「税理士紹介ナビ」、「事業承継ナビ」など、起業から事業承継までスモールビジネスのステップを支えるサービスを順次展開。アプリ・サービス提供だけなく、「事業コンシェルジュ」として事業強化を図っていく。

なお、弥生シリーズでは改正・電子帳簿保存法にも順次対応予定だが、施行が2022年1月に迫っている。岡本浩一郎社長は「企業側の準備が整っておらず、1月の施行は延期するべき」と言及した。