ニュース

税務署に行かずに税務手続できる「税務行政DX」。マイナポータル活用

国税庁は、「デジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し」(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション)に取り組んでいく方針を公表。目指すべき将来像について、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」に向けた構想を示した。

税務署に行く理由として、確定申告(納付・還付)、申請・届出、特例適用状況の確認、納税証明書の入手、相談を挙げ、これらを税務署に行かなくてもできるようにすることを目指す。

確定申告(納付・還付)については、国税庁が整備を進めている、マイナポータルを通じて入手したデータを申告データに自動的に取り込む仕組みを活用。給与や年金の収入金額、医療費の支払額といった確定申告に必要なデータを、申告データに自動で取り込むことにより、数回のクリック・タップで申告が完了する仕組みの実現を目指す。

具体的な構想は、マイナポータルからログインして「確定申告」を選択後、「自動で計算」を選択することで内容が表示され、確認の上申告することで完了する。個々の項目や還付金振込口座の入力は不要で、振替納税を利用すれば納付も自動にできるという。

なおマイナポータルを通じた自動取込については、生命保険料、特定口座取引等においてすでに取込可能となっており、2022年から損害保険料、ふるさと納税等も対応する予定。

申請・届出については、一度提出した情報を二度提出することは不要とする「ワンスオンリー」の徹底の観点から、個々の手続の要否の見直しから着手。その上で必要なものについては、入力事項を最少限にし、数回のクリック・タップで手続が完了する仕組みの実現を目指す。

特例適用状況の確認および納税証明書の入手については、自己情報をオンラインで確認できるようにする。具体的には、特例適用(青色承認、消費税簡易課税等)や納税(未納税額がない旨等)の状況について、マイナポータルやe-Taxにより確認できる仕組みの実現を目指す。

現状では例えば納税証明書の場合、税務署を往訪、交付請求書を記入・提出、納税証明書(紙)の受領、金融機関等に対して納税証明書(紙)を提出という、4つの手順を必要とする。なお現状でも、納税証明書の交付請求および受領はオンライン(e-Tax)で可能。7月からは、オンラインで交付するPDFデータにQRコードを表示し真正性を確保する仕組みの提供開始を予定している。

また現状でも、e-Taxで送信した申告データはe-Tax上で確認可能。さらに、書面で提出した申告書等のイメージデータをe-Tax上で確認できる仕組みの、2022年5月提供開始を計画している。

相談については、チャットボットの充実とプッシュ型の情報配信の2つに取り組む。

チャットボットでは、税務手続に関する不明な点をオンラインで調べれば解決できる環境作りのため、チャットボットやタックスアンサーの内容の充実や使い勝手の向上を図る。すでにチャットボットサービスの運用は開始しているが、対応項目が限定されているという課題があることから、対応項目の順次拡大を目指す。タックスアンサーについては2022年4月に改善版をリリース予定。

また、デジタル機器に不慣れな人向けの電話相談の充実(機能追加、専用ダイヤルの導入等)や、チャットボットで解決しない場合の電話相談など職員による対応につながる仕組みの導入等も検討する。

プッシュ型の情報配信は、マイナポータルやe-Taxのお知らせを活用。申告の要否や適用できる特例など、個々の納税者の状況に応じたカスタマイズ情報を、プッシュ型で提供する仕組みの実現を目指す。

2022年4月リリース予定のタックスアンサーの改善のほか、e-Taxのシステム改修の2023年リリースを計画するなど、順次検討・開発を進める。