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イオン、販売実績や客数から自動で割引価格を出す「AIカカク」

イオンリテールは、店内カメラの映像を分析し、接客や判断業務、売場レイアウトの改良につなげる「AIカメラ」を約80店舗に順次導入する。また、7月までにほぼ全店(約350店舗)へ商品の販売実績や天候・客数などの環境条件を分析し、割引時に適切な価格を提示する「AIカカク」を順次導入する。

AIカメラは、店内カメラを通じて映像を分析し、ベビーカーやランドセル売場などで購入を検討している人を判断し、従業員へ通知することで効率のよい接客対応を可能にする。

また、AIカメラで撮影した映像データを分析することで、客の立ち寄り時間の長い売場や動線、手を伸ばす頻度が高い商品棚などを可視化。売場レイアウトの変更や店舗ごとに異なる売れ筋商品の充実につなげる。AIによる年齢推定も可能。レジ前のカメラでAIが客の年齢を分析し、未成年者の場合は自動でレジ従業員に通知する。

5月開業予定とされていた「イオンスタイル川口」を皮切りに導入し、カメラ台数約150台を設置。2021年度中には約80店舗へ順次拡大予定。なお、イオンスタイル川口が入居する「イオンモール川口」は新型コロナウイルスの影響で開業が延期されている。

AIカカクは、販売実績や天候・客数などの環境条件をAIが学習。総菜売場の商品のバーコードを読み取り、陳列数を入力するだけで適切な割引率を提示する。データに裏付けされた価格で販売することで、食品ロス削減の取り組みにもつながるほか、値下げや売り切り業務に関わる教育時間も軽減できる。

2020年11月から先行導入した店舗では、「コロッケ」や「天ぷら」などの惣菜に関して、平均で割引率が2割強改善しているという。

5月13日時点では、関東・東海の約140店舗で導入済み。7月までに本州(東北を除く)、四国の約350店舗へ導入する。