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遠隔地でも「ホロポーテーション」で会える未来。Microsoft Mesh

マイクロソフトは、Microsoft AzureベースのMRプラットフォーム「Microsoft Mesh」を発表した。遠隔地にいる複数のユーザーが「HoloLens 2」などのMRデバイスを使い、同じ場所に居るかのような体験を実現する。マイクロソフトのプライベートイベント「Ignite 2021」で発表された。

参加者全員がMRデバイスを装着することで、遠隔地に居てもお互いの姿を確認できる。これにより、お互いが実際にそばにいるかのようなオンラインミーティングを実現。MRで表示される映像やCGを共有しながら議論ができる。

イベントでは、シルク ドゥ ソレイユの共同創設者、ギー・ラリベルテが「ホロポーテーション」で登場。ホロポーテーションとは、3Dキャプチャ技術を利用して、仮想シーンに実物のようなイメージを映し出す手法。実際の姿ではなく、「アバター」を使って参加することもできる。

これにより、建築家やエンジニアは、3DCGで作成したモデルをスタッフと共有し、例えば、エンジンの3Dモデルを分解する様子を、遠隔地に居ても皆で見ながら議論ができる。

新しいゲーム体験も可能とし、Pokémon Goの開発で知られるNianticがデモを公開。MRデバイスを装着すれば、ポケモンが公園などを歩いている姿を皆で一緒に見たり、遊んだりできるようになる。これにより、親や友人と一緒にゲームを楽しむことも可能になるという。

学術分野でも活用が可能で、研究深海探査船「OceanXplorer」での事例を紹介。Mesh対応の「ホログラフィックラボ」を船上に設置し、船内の科学者と、世界中の研究室やオフィスからバーチャルに集まる科学者が、航海エリアの3Dホログラムなどを見ながら研究を行なっているという。

研究者の間では、同じ部屋で映像を見ながら検討を行なう事が多く、これは、個別に同じ映像を見ても同じような結果は得られないからだという。

将来的には、バーチャルでのコンサートや演劇など、世界中のエンターテイメント会場をデジタル上に描写し、リビングルームからでもライブ会場を体験できる試みも行なう。