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DNP、長期保存とリサイクル性を両立したパッケージ「モノマテリアル」

ユニリーバ「リプトン ボタニックティー」(上段)、「リプトン キープ&チャージ」(下段)

大日本印刷は、ポリプロピレン素材の「DNPモノマテリアル包材」をユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングに提供、紅茶ブランド「リプトン」シリーズ5製品で採用された。バリア性とCO2削減を備えた単一素材(モノマテリアル)により、長期保存とリサイクル性を両立する。

従来の食品フィルムパッケージの多くは、複数種類の素材で構成され、異なる素材ごとの分類が難しく、リサイクルしにくいという課題があった。また、商品劣化を防ぐためアルミ箔を使用した場合は、フィルム素材だけの場合と比較して廃棄の工程でCO2発生量が多くなっていたという。

これに対し、アルミ箔を使わない従来のモノマテリアルパッケージは、リサイクル性では優れるものの、酸素、水蒸気のバリア性が不十分で、長期保存に向かなかった。

DNPが開発したポリプロピレン素材を使用したモノマテリアルは、アルミ箔を使わずに酸素、水蒸気のバリア性を高め、内容物の充填後もバリア性の低下を抑えることができ、長期保存に適している。リサイクルもしやすく、従来と比較して100万袋利用時に21.7トン(DNP試算値)のCO2削減を見込んでいるという。

リプトンのパッケージでもこれまではアルミ箔を使った複合フィルムを採用していた。今回採用されたのは、リプトンシリーズのスタンドパウチ製品で、バリア性や製造時の高速充填性が必要とされていた。DNPモノマテリアル包材では、アルミ箔の仕様と比較し、充填時に袋を広げる「エアー圧」を下げることができ、風を送る電力量を削減できるほか、パウチ自体の重量も軽量化され、廃棄量の削減にもなるという。