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コエド、20~50代の特徴をAIが表現したビール「人生醸造craft」

コエドブルワリーは、20代から50代までの世代を表現したクラフトビールシリーズ「人生醸造craft」を発表した。7月15日から同社のオンラインショップで数量限定販売を行なっている。

1980年代から現在までに発行された小学館の雑誌データをNECのAI技術群「NEC the WISE」に学習させ、世代別の特徴を分析。イメージとして生成し、ビールの色、香り、味の指標として変換したデータを元として、コエドブルワリーの職人が実際のビールに仕上げた。

製品としては「20's PINK」、「30's BLUE」、「40's YELLOW」、「50's RED」の4種類を用意。4本1セットで販売しており、価格は税込1,540円。在庫がなくなり次第販売を終了する。

20's PINKは、アルコール度数3.5%のハーブエール。ハイビスカスによる酸味と、淡いピンク色を特徴としている。

30's BLUEは、原料にココナッツとレモン果皮を採用したフルーツエール。青色の色素はクチナシ由来。

40's YELLOWは、アルコール度数5.5%のクリスタルヴァイツェン。今回発表した4種類の中で唯一「ビール」に分類される(ほかの3種類は発泡酒扱い)。

50's REDは、麦芽とさつまいもを用いたオリジナルエール。アルコール度数は7%と4種類の中で最も高い。

20's PINK
30's BLUE
40's YELLOW
50's RED

AIによる人生醸造craftの世代特徴生成プロセスについては、NECが「40代」の例を挙げて流れを説明している。特設サイトの分析例によると、「色」は20代の頃に呼んでいたファッション雑誌から画像を抽出し、Generative Adversarial Networks(GAN:敵対的生成ネットワーク)がトレンドカラーを選出した。

「香り」は30代の頃に読んでいた雑誌からテキストを抽出。Word Embedding(単語の意味をベクトルで表現するAI)を用いて単語の意味を香り指標(フルーティ、キャラメル、フェノール、モルティ、アルコール)に変換している。

「味」は、現在(読者層が40代)の雑誌からファッション画像を抽出し、雑誌編集者が作成した「ファッションテイスト」と併せて深層学習用ソフト「RAPID機械学習」が味の指標(スウィート、ビター、サワー、ドライ)に変換した。ファッションテイストとは、パステルカラーや柔らかさを「スウィート」、シャープなイメージや寒色を「ドライ」のような形で、質感や属性を味の指標に当てはめたもの。