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島津製作所、PCR検査の時間を半分にする新型コロナ検出試薬

島津製作所は、PCR検査の検査時間を半分に短縮できる「2019新型コロナウイルス検出試薬キット」を4月20日に発売する。価格は22万5,000円(100検体分/キット)。月間生産量は10万検体分。専門の知識、機材が必要なため一般販売はされない。

現状の遺伝子増幅法(PCR法)による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出では、鼻咽頭拭い液などの試料(検体)からRNAを抽出して精製する作業が必要で、多数の試料を検査する際の妨げになっていたという。

開発したキットは、独自の「Ampdirect技術」を使い、生体試料をPCRの反応液に直接添加することを可能にした。DNAやRNAを抽出・精製する必要がないため、検査に要する人手や時間を削減。従来2時間以上かかっていたPCR検査の全工程を、約1時間で完了できる。96検体用PCR装置を用いて、96検体を検査した場合でも1時間半以内で行なえるという。手作業を行なわないため、人為的なミス防止にもなる。

誤操作などで、陽性にもかかわらず遺伝子増幅が起きなかった場合に誤って陰性と判断しないよう、反応液には増幅工程が正しく進んだことを確認する参照成分を添加。偽陰性が生じる可能性を低減し、検査結果の精度を向上させている。

現状では研究用試薬で、医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品としての承認・認証等を受けていないが、国立感染症研究所が定めた評価方法で性能を検証し、保険適用の対象となっている。評価によれば陽性一致率・陰性一致率はいずれも100%であったという。