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三井不動産の新オフィスに顔パス入退。眼鏡やマスクでも認証可能

三井不動産は、8月に移転を予定している日本橋室町三井タワー(3月竣工予定)の入居フロアにおいて、従業員の利便性向上、オフィスにおけるセキュリティ強化を目的とし、顔認証技術を活用した入退セキュリティを導入する。また、銀座6丁目‐SQUAREにおいて、4月から顔認証技術を用いた決済システムの実証実験を行なう。

システムイメージ

顔認証入退セキュリティシステムには、パナソニックが提供する「KPAS(ケイパス)」をベースとした特注システムを、三井不動産入居スペースの専有部執務室への入り口扉およびエレベーターホールのセキュリティゲートに設置。

左からセキュリティゲート、セキュリティーゲート用機器

システムは、ゲート、チェッカー(専有部入り口用機器)、管理用サーバー、顔認証用サーバーにより構成されている。顔情報は写真で一括登録可能で、管理者の負担も少ないという。

チェッカー(専有部入り口用機器)

ハンズフリーで入退室できるほか、カードの貸し借りによるなりすましや、不正入場の防止、カード紛失のリスクおよび再発行にかかる運用コストの削減が見込まれる。

また、KPASでは専用端末で顔と名刺を同時に登録できるため、来訪者の入退管理も可能としている。社員用PCから来訪者の顔と名前、訪問履歴なども確認でき、さらに情報を蓄積することで、人脈相関図として可視化などにも活用できるという。登録可能人数は最大3万人。

KPASの認証技術にはパナソニック独自のディープランニング技術を応用。顔特徴の変化に強く、利用者の年齢の10年程度までの経年変化や、眼鏡、マスク、メイクなどの変化にも対応して認証が可能としている。

顔パス決済実験も

顔認証決済サービスの実証実験は、三井不動産が現在入居している銀座6丁目‐SQUARE内のグループ従業員用カフェテリア「囲」にて、NECが提供する顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用して行なわれる。

NeoFaceでは、ユーザは、スマホやタブレットのアプリで自身の顔認証情報を登録できる。また、ユーザのカード情報はクレジットカード会社が管理し、顔情報データはNECの顔認証決済サービスで管理するため、店舗での個人情報とカード情報の取扱いは無く、セキュリティ対策を軽減できるとしている。

これにより、混雑時のレジ待ち時間の短縮や、店舗側の現金管理によるミスや手間低減、現金やカードを持っていない顧客に対しての販売機会拡大が見込まれるとしている。

支払い時の撮影・顔認証の実験イメージと、認証デバイス