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ショッピングAI時代への不安 アマゾンは検索ワードを書き換えないで欲しい

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米Amazonで、ショッピングAIアシスタント「Alexa for Shopping」がスタートします。買い物支援AI「Rufus(ルーファス)」とAIアシスタント「Alexa+」を組み合わせ、Rufusがもつ商品知識やWeb上の情報、Alexa+によるユーザーの好み、購入履歴、Amazon.comやAlexa上での会話などを元に、商品探しや比較、価格追跡、カート作成などを支援するといったものです。

日本でのサービス開始については決まっていませんが、前提となるAlexa+も始まっていないので、まだ先になりそうです。ただ、現状日本における「Rufus」の出来も今ひとつなので、ショッピングAIサービスとして進化していくことを期待したいところです。

それ以上に「問題あるよね」と編集部内で盛り上がったのが、Amazonの検索におけるキーワード補完です。

例えば、「マーニー」と入力しているにも関わらず、「ムーニー」を検索し、検索ボックスの入力キーワードがムーニーに書き換えられてしまいます。

同様に

  • 「モニター台」→「モニター」
  • 「アクアリウム フィルターネット」→「アクアリウム フィルター」
  • 「アクアリウム ネット」→「アクアリウム セット」

など、勝手にキーワードを補完して検索した結果を表示し、さらに検索ボックスのキーワードも書き換えられています。

モニター台と検索ボックスに入力したのに「モニター」として検索。下にモニター台の検索結果へのリンクも表示しているけれど……

「正しく」キーワードを入力したにも関わらず、意図しないキーワードの検索結果を表示するのは、不便ですし、自分が明確な意図を持ってコンピューターに指示した内容をAmazonが勝手に変えるのは不快感が高いものです。編集部のほぼ全員が「この仕様には困っている」という意見で一致しました。

上記の「モニター台」の例では、

「モニターの結果を表示しています」の下に「モニター台のすべての結果を表示します」と、検索キーワードについての結果も表示されますが、そもそも最初からモニター台について調べているので、「そういうことじゃないんだよ」と思ってしまいます。

加えて、「マーニー」と検索したユーザーは、マンガ「名探偵マーニー」や映画「思い出のマーニー」などを探しているかもしれません。しかし、検索語が「ムーニー」に置き換えられると、ユーザーが目的の商品にたどり着きにくくなり、作品の作者や出版社・映像制作者にとっての販売機会を損なっているとも言えます。

最近ではエージェンティックコマースの注目度も高まっていますし、個人的にも「Alexa for Shopping」のようなショッピングAIアシスタントに期待したい気持ちはあります。

AIがユーザーの行動や意図、購入履歴などを勘案して、適切な商品やサービスをおすすめしてくれる。そんな時代が近づいていると感じますし、個人的にも調べ物からショッピングまで、直接的にも間接的にもAIを活用しています。

しかしこうした「おすすめ」の中に、アマゾンの検索のように、ユーザーの意図を無視するものが増えてきたら…… 豊かな未来は描けないようにも感じます。

AIでサービスを強化するのもよいのですが、Amazonのミッションである「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」にとって、本当になにが必要なのか、考えてほしいと思います。