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自転車"ながらスマホ"明日から罰金1.2万円 青切符で取り締まるが増える?
2026年3月31日 07:45
警察庁は4月1日から、自転車への交通反則通告制度(青切符)を開始します。従来からスマホを使いながらの自転車運転は重い罰則がありましたが、赤切符の対象であることから、取り締まりには限界がありました。しかし、青切符が導入されることで取り締まりのハードルは大きく下がり、迅速な対応が可能になります。具体的にどうなるのか、青切符制度開始前に確認しておきましょう。
赤切符とは、交通違反において、刑事処分の対象となる違反を起こしたときに交付される書類のことです。刑事処分ですので前科が付く可能性もあります。これが自転車のスマホながら運転に適用されていたことを考えると、いかに警察庁がその危険性を重視していたかが覗えます。
ただし、赤切符は刑事処分の対象であることから、交付した後、有罪とするには刑事手続きが必要です。罰金刑などにとどまる交通違反の場合は略式起訴になることが多いですが、警察官はそのたびに調書などを作る手続きが発生し、多発する違反に対して全てに対応するには限界があります。
これが青切符になると、警察官は刑事手続きに必要な調書作成などの作業が不要となり、その場で違反者に青切符を渡すことでほぼ処理が完了します。調書や起訴、裁判などの手続きが不要になるため、これまでよりも違反者への取り締まりが厳しくなりやすいと考えられます。
なお、「青切符だから刑事手続きにならない」というわけではありません。青切符でも反則金を支払わずに放置すると、刑事手続きに移行して場合によっては前科が付く可能性もあります。青切符を受け取ったら速やかに反則金を納めておいたほうがよいでしょう。
ながらスマホで反則金12000円
スマートフォンのながら運転については、従来でも事故を起こした場合等には刑事罰による厳しい罰則が科され、スマートフォンを見ているだけの場合でも罰則の対象でした。
青切符導入後も引き続き厳罰として扱われていて、反則金は自転車の青切符による違反の中で最高額となる12,000円です。
ちなみに、赤切符での取り締まりの場合は、6カ月以下の懲役又は、10万円以下の罰金となっており、一見、青切符のほうが罰則が軽くなったように見えます。しかし、現実には罰則が軽くなったというよりも、「警察が運用しやすくなり広く取り締まれるようにした」というのが、青切符導入後の変化といえるでしょう。
手続きが簡素化されることから、警察もより積極的に対応してくる可能性もあります。スマホを手に持って通話したり、画面を注視しながら運転するのは絶対に止めましょう。
イヤフォンしながら運転で反則金5000円
イヤフォンをして周りの音が聞こえない状態での運転や傘を差しながらの運転も反則金の対象です。これまでも違反ではありましたが、反則金はありませんでした。今後はどちらも5,000円の反則金が徴収されます。
誤解しやすいポイントが「イヤフォンをしているから反則」というわけではないところです。警察の方針では「周りの音が聞こえない状態での運転」が取り締まりの対象となっており、警察官が呼びかけたときに反応できるかどうかがポイントになります。カナルタイプイヤフォンなど、耳を完全に塞ぐイヤフォンで音楽をそれなりに大きな音で聴いていると、大抵の場合は反応できないのではないでしょうか。
イヤフォンを片耳にしか付けていない、オープンイヤー型や骨伝導など、耳を完全に塞がないタイプのイヤフォンなど、警察官の呼びかけに答えられる状態である限りは違反になりません。逆にオープンイヤー型などでも、最大ボリュームで聞いていれば警察官の呼びかけに答えられない可能性も高いですので、オープンイヤー型だから大丈夫、という保証もありません。
ただ、イヤフォンに関する規制は、都道府県ごとの公安委員会規則に基づいています。基本的な考え方は全国で共通していますが、具体的な規定や運用は都道府県ごとに異なる場合があります。
自転車の歩道走行は?
自転車は軽車両として歩道を走行せず、原則として車道を走行するというルールですが、高齢者や13歳未満の子供は歩道を走行できるほか、交通状況次第ではそれ以外の人も歩道は走行可能です。
警察庁では、「自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき」として、「道路工事や連続した駐車車両等のため車道の左側を通行することが難しいときや、著しく自動車の交通量が多い、車道の幅が狭いなど、通行すると事故の危険があるとき」については、歩道を走行することを認めています。
こうして歩道を通行する際は、「歩道の中央から車道寄りの部分を徐行」することとしています。歩道を走行する場合には歩行者の通行を妨げるような時は、一時停止をすることが条件で、これに違反すると反則金3,000円の対象となります。
警察ではこうしたケースについての見解を公式ルールブックで解説しています。引用すると、
- 自転車の運転者による反則行為のうち、交通事故につながる危険な運転行為をした場合や、警察官の警告に従わずに違反行為を継続した場合といった、悪質・危険な行為が自転車の交通違反の取締り対象となります
- 一方で、単に歩道を通行しているといった違反については、これまでと同様に、通常「指導警告」が行なわれます。青切符の導入後も、基本的に取締りの対象となることはありません
となります。ここでいう「危険な行為」とは「例えば、スピードを出して歩道を通行して歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わずに歩道通行を継続した場合」とされています。
つまり、あくまで徐行をせず、危険なケースに限って取り締まるという方針です。歩道走行自体、原則として違反ではありますが、通常は指導警告にとどまる運用となっています。
歩行者の安全のためには、自転車は車道を走行するのがベターではありますが、現実として全ての車道に自転車レーンが設定されているわけではありません。インフラが未整備な現状では、自転車を強制的に車道を走行させるという段階ではないと判断されていると考えられます。
これ以外にも車道の逆走や二人乗り、自転車同士の並走など、青切符の対象となる行為は幅広く設定されています。今回の青切符導入は、罰則そのものを大きく重くするというよりも、日常的な違反に対して現実的に対応できる仕組みに変わったという点がポイントです。これまで見過ごされがちだった行為も対象になりやすくなるため、今後は「大丈夫だろう」という感覚ではなく、普段から基本的なルールを意識しておくことが重要になりそうです。







