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素晴らしかった「Rakuten最強U-NEXT」発表 「わかりやすさ」の課題【Watch+】

楽天モバイルとU-NEXTが、携帯電話料金と動画配信サービスをセットにした「Rakuten最強U-NEXT」を発表しました。10月から提供開始予定で、価格は4,378円です。

先日ドコモがドコモの通信料金プランとDAZN(4,200円)をセットにした「ドコモ MAX」(8,448円)を開始しましたが、それにもよく似た「ケータイ+動画」の料金プランは、一つのトレンドといえるでしょう。

Rakuten最強U-NEXTのベースとなるRakuten最強プランが3,278円、U-NEXTが2,189円で合計5,467円のため、セットになることで1,089円安くなります。通常のU-NEXTに付帯する月1,200円分のポイントがないため、実質的にはポイントを省いたセットプランと言えそうです。

それでも動画無制限+データ無制限で4,000円台前半はかなりリーズナブル。また、ドコモ MAXの場合は、ドコモとDAZNの料金は不可分ですが、Rakuten最強U-NEXTの場合は、どちらかが要らない場合は単にどちらかを選べばいいだけというシンプルな設計も気に入りました。楽天の三木谷浩史CEOは「日本企業の最強タッグ」とアピールしていましたが、確かにとても魅力的なプランです。

個人的には、2000年代前半のNetflixのかけらも無い頃から動画配信サービスを取材してきたこともあり、(2003年に)「SHOWTIME」で協力した楽天とUSENが、23年の時を経て「我々がやりたかった世界観を実現できる」(U-NEXT宇野会長)という説明にも心を打たれました。1時間程度の発表会でしたが、ネットが社会に浸透するまでの紆余曲折を思い出しつつ、楽天三木谷会長、U-NEXT宇野会長の両者とも非常に熱がこもった説明をしていたと感じました。

個人的にも楽天モバイル契約者です。ただ、3GB未満の1,078円に抑えるようにしていますし、U-NEXTもみたい番組があるときに契約する「ロイヤリティ低めのユーザー」です。ただ今回の発表会の熱と、リーズナブルな価格を聞いたら「これは加入してもよいかな」と感じました。

素晴らしいサービスで、とても良いパートナシップと感じましたし、個人的にも大歓迎です。ただ、1点だけ物申したいこともありました。

それは価格表示についてです。ニュースリリースを見ると、「新パックは月額3,880円(税込4,268円)」とあるのですが、実は(注4)がついており、(注4)「「最強家族プログラム」適用時の月額利用料です。」とあります。これは、「家族割」(110円割引)を含んだ価格です。

契約者の全てが家族割の対象にはなるわけではないので、表示すべきは、家族割を含めない4,378円だと思うのですが、ニュースリリース中にその価格記載はありません。ここはもう少しわかりやすい表示をお願いしたいところです。

4,268円を4,378円と表記してほしかった

わかりにくい価格表示は、他社でもみられます。例えばドコモ MAXの発表会でも、無制限では8,448円ですが、ドコモ光やdカードなどのセット割を含めた各種割引を入れた価格(5,148円)を表示していたのは気になりました。注や*印をしっかり読まないと料金が把握できないというのは、少々わかりにくく感じます。5月のKDDIの発表は価格表記が明瞭でしたので、各社「わかりやすさ」を重視した発表をお願いしたいところです。

ともあれ、動画と通信が本格的に連携を開始したのは非常に面白いトピックで、これも新しい競争の形だと感じています。健全な競争は消費者としては大歓迎です。そのためにも「料金表示」もよりわかりやすくなることを期待します。

臼田勤哉