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ワークチェア最高峰「コンテッサ セコンダ」を買う【私の2023】

オカムラ「コンテッサ セコンダ」(CC85XZ)

【私の2023】編集部員が2023年に使って気に入ったモノ・サービスなどを紹介します。

2023年でもっとも大きな買い物となったのが自宅作業用の椅子、いわゆるワークチェアです。オカムラのフラッグシップモデルとなる「コンテッサ セコンダ」(CC85XZ)を購入しました。購入価格は21万円弱と決して安い買い物ではなかったですが、仕事をする際の気分を上げるという意味で、いい買い物だったと思っています。

「こうすればよかった」的な後悔も若干あるのですが、そのあたりを含めて紹介していきます。

個人的高級チェアの買い時は「いま」

コンテッサ セコンダ以前に使っていたチェアは、LOWYAで8,000円程度で購入したもの。コロナ禍に入った2020年4月、リモートワークに転換したため、ダイニングテーブル/チェアとは別の仕事環境を作るためにあわてて購入したものです。

価格と納期を優先して購入しましたが、実用十分な品質と座り心地で、それなりに満足していました。ただし、今春ごろから、座るとに「ギィィ」というきしみ音が出るようになり、買い替え時と感じていました。8,000円で3年使えれば十分ですし、コロナ禍で多くの人が高級ワークチェアを購入していたこともあり、自分も高いチェアを買おうという気持ちは高まっていました。

とはいえ、2023年前半はコロナ禍の出口が見え始め、リモートワークからリアル回帰という雰囲気もありました、筆者も週数回は出社するようになり、リモートワークも減少傾向といった時期でした。

それでも、オンラインでの取材や会議の方が多く、リモートワークが完全になくなることはなさそう(実際なくなっていません)。また、仕事以外でも集中して作業するときにはデスクスペースが充実していることは重要です。ということでワークチェアの買い替えを本格化することにしました。

その中でも、当初から有力候補にあげていたのがオカムラ「コンテッサ セコンダ」。デザインが好みで、以前から欲しい製品だったため、これを軸に検討することにしました。

コンテッサ セコンダ

チェアを選ぶにあたり、まず「自分が気に入ったものを選ぶ」という方針を立てました。以前から友人らが「アーロンチェア」など高級ワークチェアを導入した話を聞いて、興味はあったのですが、気づけば自分の年齢も40代後半。チェアを10年使うとすると、10年後に「次」があるのか? 仕事をしているかすらわかりません。「いつか導入したい」は「いま」しかないのでは? と考えました。そのため、金額面では妥協せず、満足できそうなものを選ぶという方針を決めました。

もう一つあげると「オカムラ」はちょっとしたポイントでした。というのもインプレスのオフィスでは、オカムラの「シルフィー(SILFY)」が導入されており、それらに操作性が近いものを選びたかったためです。

オカムラ「シルフィー」

操作性が重要なのは、オフィスに出社した時にイスの調整を素早く行ないたいから。というのも、社内はフリーアドレスになっており、その日に座る場所によって、イスの座面の高さやリクライニングの角度、そしてリクライニングの硬さ(反発力)などが異なります。そのため、出社して最初にすることの一つが「イスの調整」となります。

リクライニング角度調整などは一般的なものなので、すぐに操作できるのですが、リクライニングの反発力の調整方法や「後傾の固定」などについては瞬時にわからず、その都度YouTubeで調べるという手間が発生していました。前に使っていた人が、後傾を固定していないと、リクライニングした瞬間にガクッと体が後ろに持っていかれて、怪我をしそうで怖かったりします。

こうした問題に対応するため、出社して仕事開始前に長いと5分ぐらいムダな調整作業が発生します。フリーアドレス3年目ぐらいでも、いまだに調整の仕方がわからない部分があるので、オカムラのイスに慣れておけばこの調整時間を数十秒ぐらいに短縮できるだろうという算段です。

Sylphy[シルフィー]操作説明・使用説明(新旧仕様の表記あり)
シルフィーで反発力などを設定

こうした方針で検討を始め、ショップで他の多くの椅子を試し、約2カ月ぐらい検討しました。個人的にはその中でも「エルゴヒューマン ベーシック」がかなり気に入り、一番フィットするような印象はありましたが、デザイン的にはコンテッサ セコンダが好みで、選択できるカラーが多かった点もポイントでした。

また、半額以下で買えるシルフィーでも必要十分以上の品質であることはオフィスでの利用で実証されています。シルフィーという選択肢も最後の最後まで外せなかったのですが、検討していたのが昨春から夏の猛暑であったこともあり、メッシュの座面に惹かれていたこと(シルフィーはメッシュがない)、実際体験してみて良い感触だったこと、そして一回ぐらいフラッグシップモデルを導入してみたい、という気持ちもあり、最終的にコンテッサ セコンダを選択しました。

仕様は、エクストラハイバックで、大型の固定ヘッドレスト、背メッシュ、座面メッシュ、アジャストアーム、ランバー付、ウレタンキャスターなど。カラーはホワイトとしました。

気持ちの高まるチェア

6月に注文して、1.5カ月後の7月に納品。納入業者により、組み立てまでしてくれたのは高級ワークチェアならでしょうか。

実際に座って作業をしてみると、以前の椅子とは、座ったときの「剛性感」のようなものが違い、安定感があります。ギシギシ音がしないのは当たり前ですが、「地に足付いている感」というか、安定した着座感で「いい椅子だなぁ」という気持ちになります。キャスターの動きもなめらかです。

当初はシルフィーと同じ操作性を狙っていましたが、コンテッサ セコンダの操作はシルフィーとはかなり違います。例えば、肘先のレバーでリクライニング調整するなど独自の体型になっています。とはいえ、どの大体どのダイヤルに操作が割り当てられているかは、ある程度共通化されているので、戸惑うことはなく、また会社におけるシルフィー調整時間もある程度短縮できたような気はしています(たまに戸惑いますが)。

あえて選択した「メッシュ」の座面も安定感と涼しさがあり、よい感じです。座面のメッシュは冬は寒いかも? 若干不安でしたが、別段問題ありません。メッシュかどうかよりは、暖房をしっかり準備するのが重要だと思います。ホワイトを基調としたカラーもなかなか気に入っています。

コンテッサを選んだ理由の一つが「メッシュ」座面

ということで、基本的に満足していますが、少し間違えたかなと思っているのが、大型の固定ヘッドレスト。やや後傾気味の着座スタイルへの憧れもあって追加したのですが、基本ノートPCの小さなディスプレイで仕事をするので、自分のスタイルには不要な気がしています。また、髪を結んでいるときにヘッドレストが干渉する、秋冬はパーカーがひっかかるなど、使いにくさを覚えます。

大型固定ヘッドレストはいらなかったかも?  パーカー絡みやすいのが難点

ヘッドレストは約2万円プラスだったのですが、不要だったかな、と感じています。細かく検討したつもりですが、利用スタイルも季節や作業内容によって変わるため、100点の選択というのは難しいなぁと感じています。取り外しも可能なので、この年末に取り外して使ってみたいと思っています。冷静になると「2万円でも結構いいチェアを買えるよな」とか思ってしまいますが……。

「コンテッサ セコンダ」(CC85XZ)

細かな失敗はあれど、購入の満足度は高く、気に入っています。仕事・作業前に気に入ったデザインのチェアだとやる気が少しアップし、なんとなく頑張れる気持ちになります。価格は高いですが、そうした要素も高級ワークチェアの魅力ではないでしょうか。

臼田勤哉