いつモノコト
“一線を越えた”美味しさ、タイガー“ハイブリッド抽出”コーヒーメーカー
2026年1月17日 09:15
毎朝、1日分のコーヒーをコーヒーメーカーで淹れるという生活を続けているのですが、毎日使うのでコーヒーメーカーへの負荷が高いのと、小さな不満も溜まると大きくなるので、結果的に2~3年で買い替えてしまっています。今回新たに購入したのは、タイガーの「ADF-A060」です。価格はAmazon.co.jpにて21,009円でした。
これまで使っていたのは2023年末に購入したタイガーの「ACE-V081」で、それまで必須条件としていた真空断熱ステンレスサーバーを備え、このサーバーの中栓を“ラクに分解できる”点も選んだ理由でした。また、ドリップバッグに対応する機能があるのも使ってみると便利で、コーヒー豆を切らしてしまった時や、コーヒーを1杯だけ飲みたい時に重宝していました。
一方、このコーヒーメーカーを丸2年使っているうちに、コーヒーの飲み方そのものが少し変わりました。まず、冬季は特にですが、ステンレスサーバーで保温していても数時間経てば少し冷めるので、結局2杯目以降は“電子レンジで温め直して飲む”というスタイルになったことです。じゃあもう、真空断熱ステンレスサーバーとかにこだわらなくていいのは……という変化と気づきです。
ACE-V081のような、大手メーカーの実売1万円前後のコーヒーメーカーは幅広い家庭が対象で、“従来型のコーヒーメーカー”のスタイルを踏襲しており、さまざまな広がりを見せ進化しているハンドドリップ・コーヒーの世界とは少し距離があるように感じていました。しかしここ数年はハンドドリップを再現するという謳い文句の、工夫をこらした製品も増えています。
タイガーはというと、2023年に「自動サイフォン式コーヒー抽出システム搭載コーヒーメーカー」なる製品(ADS-A020)を投入し、話題を呼びました。最上位モデルに位置付けられるとはいえ、けっこう尖ったコンセプトの製品で、この頃から開発体制が変わったのかもしれません。特に抽出方法まで踏み込んで変化を加え製品化しているのは、大きな違いです。
この次に登場した、今回私が買った「コーヒーメーカー ADF-A060」は2024年10月発売で、浸漬式と透過式を組み合わせた「ハイブリッド抽出」が特徴の製品です。
浸漬(しんし)式とは、サイフォンやフレンチプレスなどの、コーヒー粉をお湯に浸して抽出する方式のこと。コーヒー器具で有名なハリオは、2019年に「浸漬式ドリッパー スイッチ」という製品を発売していますが、これはハンドドリップサイズのドリッパーを使い、ストッパーでお湯が落ちないようにして浸漬式で抽出した後、手動でスイッチを操作して抽出したコーヒー液をカップに落とす、という仕組みになっています。
ADF-A060のハイブリッド抽出は、このハリオの製品に近く、蒸らしや抽出の過程でストッパーのオン・オフを自動で繰り返し、浸す・落とす動作を行ないます。浸す過程があることで、ハンドドリップのようにお湯を広範囲に“回しがけ”する必要がなく、お湯の出口は1点だけというのもシンプルで、これは機器のメンテナンスのしやすさにもつながっています。
一般に透過式の弱点は、投入したお湯をぜんぶ透過させてしまうと、アクなどによる雑味も含まれてしまうことです。このためハンドドリップでは、お湯が落ちきる前にドリッパーをカップから外すようにアドバイスされますが、コーヒーメーカーの多くはお湯を最後まで落とすため、雑味を取り除いたクリアな味は期待できません。一方の浸漬式は、サイフォンなどでも同様ですが、抽出過程で出る雑味を取り除きやすいのも特徴です。
ADF-A060でハイブリッド抽出を行なうRichモードで淹れた第1印象は、香りが高く、雑味のないとてもクリアな味ということです。また、角がなく非常にまろやかで、少なくとも実売1万円前後のコーヒーメーカーでは到達できなかった“一線を越えた”味だと感じました。
これなら、下手にハンドドリップで淹れるより美味しいと感じますし、何より自動です。ハリオの「スイッチ」は手軽な器具なので200mlと360mlと2サイズ展開のみですが、ADF-A060は最大6杯(1杯は120ml)まで対応し、一度に720mlぐらいまで淹れられます。
ガラス製のサーバーを設置する部分には保温機能が用意されていますが、保温できるのは抽出後30分間のみです。コーヒーメーカーによくある保温機能は長時間使うとコーヒーの味が落ちるので、この製品もあくまで「抽出後すぐに取り出せない場合に冷めないようにする」程度の仕様です。ドリッパー部分やサーバーにはフタがなく解放されているのも、抽出中のコーヒーの香りが部屋中に広がるのを楽しむというスタイルで、このモデルの開発陣が市井のコーヒー事情を意識していることが分かる部分です。
これまで使っていたコーヒーメーカーと比較すると、中栓のある真空断熱ステンレスサーバーから、フタすらない開口部の大きい(手首を入れられる)ガラス製サーバーに切り替わり、毎日の洗う作業が格段にラクになりました。2杯目以降は電子レンジで温め直すスタイルにすでに移行していたので、粗熱がとれたらサーバーは冷蔵庫に入れています。香りの高さを楽しめるのは淹れたての1杯目ですが、雑味のないクリアな味は2杯目以降も健在です。コーヒーメーカーの価格としては約2倍になりましたが、「コーヒーメーカーだから」と妥協していた味は驚くほど向上、日々の洗い物も減ってラクになり、かなり満足しています。
なお、これまでとの大きな違いとして、「ACE-V081」にあった“ドリップバッグにお湯だけ注ぐモード”が存在しない点があるのですが、これは「oceanrich Plus」という簡易的な自動ドリップ・コーヒーメーカー(3,000円弱)を買って解決しました(笑)。










