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ドンキ、スーパーと融合した新業態「ロビン・フッド」

「ロビン・フッド」の名前を披露するPPIH 代表取締役COOの鈴木康介氏

「ドン・キホーテ」を展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は、スーパーと「ドン・キホーテ」をかけ合わせた新業態「驚楽の殿堂 ロビン・フッド」を4月にスタートする。

スーパーの生鮮や惣菜、新たなプライベートブランドと、「ドン・キホーテ」の非食品や安さにこだわる姿勢を融合させたという新業態。コンセプトは「スーパーみたいでスーパーじゃない」で、“食品強化型ドンキ”とも謳う。一般的なスーパーの非食品の売場面積は10%程度だが、「ロビン・フッド」ではドンキ取扱の非食品を40%にまで拡大するのが大きな特徴。

まずは2026年6月までに東海地方で5店舗を展開する計画。第1号店は愛知県あま市甚目寺に4月24日にオープンする「ロビン・フッド 甚目寺店」。2号店は愛知県の豊川に、3号店は岐阜県の笠松にオープンする予定。静岡県と三重県にも4号店、5号店を展開する計画。当初はPPIH傘下のユニーが展開するスーパー「ピアゴ」の既存店の業態転換などで初期投資を抑える。2027年以降は首都圏にも進出する計画。2035年までに全国で200~300店舗へ拡大するのが目標。

PPIHは2035年までの長期経営計画で売上と利益の倍増を目標に掲げているが、そのカギを握るのが食品強化とする。傘下のユニーはスーパーを展開、長年にわたり生鮮調達力などのノウハウを蓄積しており、これにドンキの棚作りや非食品による高い収益性・安定性、ドンキの“ディスカウント性”をかけ合わせ、特徴を打ち出していく。

「ディスカウント要素を継続しながら、高まる食品ニーズに応えていく。土台になるのはユニーの生鮮調達力。ドンキに食品や生鮮のイメージはないだろうが、(ユニーの買収などで)長年にわたり強みを取り入れてきており、力の見せ所が“食品強化型ドンキ”だ。物価が上がっている今だからこそディスカウントが重要。ユニーの生鮮とドンキの編集力・ディスカウントを組み合わせたものは、唯一無二の“勝てる方程式”だ」(PPIH代表取締役COOの鈴木康介氏)

PPIHの国内事業は今後、ドン・キホーテ、ユニー、ロビン・フッドの3つを柱にしていく方針。ロビン・フッドの売上・利益目標は、2035年までに売上高6,000億円、営業利益360億円(利益率6%)。

ロビン・フッドという名前は、中世イングランドの伝説に登場する人物から取ったもの。弓の名手で、人々の生活を守るために戦った義賊だったとされていることから、「物価高から暮らしを守りたい」「顧客ニーズをズバッと射抜きたい」という想いを込めた。また、「ドン・キホーテ」に近い語感で、印象に残りやすいという理由も挙げている。ドンキのキャラクター「ドンペン」に相当するウサギのキャラクターも発表されており、名前は今後の公募で決定する。

「驚楽(きょうらく)の殿堂」と名付けた理由は、安いだけではなく「ラクで楽しい」ことも重視するコンセプトからきている。国民のライフスタイルの変化により買い物体験はコンパクト化が求められているとし、スーパーの買い物とドンキの買い物体験を融合させる新業態で、より効率的に買い物ができるという。ドンキと異なるのは、対象の商圏が広域ではなく比較的狭い生活圏であることで、ロビン・フッドは平日毎日使っても飽きない店舗にしていく。棚作りや商品選びでは小学生など子供をターゲットにした展開も行ない、幅広い層が楽しみながら利用できるようにする。

時短やエンタメにもこだわった商品展開

ロビン・フッドの店舗は、「非食品」「生鮮・惣菜」「プライベートブランド(PB)」の3つが特徴になる。

非食品は、ドンキ取扱品から厳選した商品を「エンタメ」、肌着やルームウェアの「ワンマイル」、健康食品などの「ウェルネス」、コスメやドライヤーなどの「美容」、消耗品や雑貨の「日用品」の5つのテーマで揃える。この非食品の面積構成比は通常のピアゴの3倍に相当する40%で、「エンタメ」をテーマにした棚では子供向け商品も充実させる。

「生鮮・惣菜」の取り組みでは、「ラク」にフォーカスし、例えば生鮮食品では、味付けなどの下処理済みで、家で焼くだけですぐに食べられる肉といったように、簡単に調理できる商品を拡大。レンジで温めるだけの焼き魚や、骨取り済みの魚の品数も増やす。野菜も、買いやすいサイズのパッケージを増やすなどして利便性を拡大する。

惣菜は、ワンコインで購入できるものを拡充するほか、高頻度の入れ替えや、地域性のある商品を充実させて、いつも新しい発見があるようにする。おにぎりは85円~という安価な設定で、「紅生姜」など変わり種を含めて30種類以上をラインナップする。

さらに、うどんコーナーを「ロビンのうどん屋さん」と名付けて展開。うどんや出汁、バイキング形式の天ぷらを選び、自分好みの1杯にして購入できる。

ロビン・フッドのプライベートブランドも展開。価格訴求、付加価値、時短、省手間という4つのテーマに分かれており、計50アイテムからスタート。100アイテムにまで拡大する予定になっている。

これら3つのテーマは顧客と一緒に店を作っていく「顧客響創」という考えが土台になっており、ユーザーが店舗を直接採点する取り組みを実施する。採点の対象期間にはセールを実施して回答にメリットを提供していくほか、店舗の採点結果は公開される予定。また「アイデア回収車」が店舗を巡回し、不満や意見を伝えるとドンキ名物「焼き芋」がプレゼントされるといった取り組みも行なう。