いつモノコト

モチベーションを上げてくれる健康管理トラッカー「Fitbit Charge 5」

Fitbit Charge 5

健康管理トラッカーの「Fitbit Charge 5」を3カ月ほど使ってみました。お風呂に入る時と充電する時以外はつけっぱなしという生活です。筆者としてこうした器具を使うのは4年ぶりぐらいでしょうか。長期間使うのは初めてなので、時に試行錯誤しながら活用しています。

筆者はランニングなど本格的な運動・スポーツはしていませんが、この1年のテレワークの定着で運動不足が顕著なため、週末には近くの繁華街に行くなど理由を見つけて片道15分~30分ほど歩くといったことは意識的にするようにしている状況です。Fitbit Charge 5はこうしたカジュアルな利用でも役立ってくれています。というより、Fitbit Charge 5を着用し始めて、明確にそうしうた運動を意識し始めたという感じです。

本体に光学式の心拍センサーを備えているほか、GPSで移動速度や移動距離などが判定され、本格的な運動だけでなく軽い散歩でもしっかりと捕捉してくれます。ある程度心拍数が上がるような運動状態になると「ゾーン」という単位でカウントされていき、歩数やゾーンの獲得数で目標までの進捗や達成の有無が分かります。装着したまま就寝すると睡眠計測が可能で、深い眠り、浅い眠りなど睡眠の質も計測できます。

ディスプレイはブレスレットのようなタイプとしては比較的大型で進捗や結果の表示は分かりやすいです。日常的に頻繁に操作はしませんが、タッチやスワイプ操作で表示を切り替えられます。充電は1週間に1回ぐらいでしょうか。メールでは1週間のレポートなどのほか、電池が少なくなった場合でも通知がメールで届きます。

Fitbit Charge 5はSuicaにも対応していますが、私は、モバイル決済やトラブルへの備えの意味でもスマートフォンを家に置いて出かける事をしないため、Fitbit Charge 5本体のSuicaは活用できていません。

最も効果的で興味深いと感じられたのは、モチベーションの維持のためあれこれと気づかせてくれる点です。腕に着けているので、通知でブルっと振動すればすぐに気が付いて、見逃すことがありません。目標達成が間近になったり達成したりすると特定のパターンで振動するため、運動中で見づらくても振動で感じて分かるようになっています。

平日などずっと座って仕事をしていると、定期的に「運動リマインダー」が振動とともに通知され、軽い運動を促されます。「もうそんなに時間経ったっけ?」と気付かされることも多く、ストレッチなどをして体をほぐすいい機会になっています。

運動リマインダーなどはスマートウォッチでは定番的な機能だと思いますが、Fitbit Charge 5は腕時計よりも本体がスリムなので、存在感の薄さはアクセサリー感覚に収まる感じです。私は腕時計が好きで外出時はよく着けるので左手は空けておき、Fitbit Charge 5は普段から右手に着けるようにしています。冬は袖の長い服を着ることが多く、手首のあたりで邪魔に感じることもありますが、ストラップをあえて少しだけ緩めにして前後に少し動くようにすると、袖口の内側での窮屈さは緩和されます。

使い始めて1~2週間ぐらいして困ったのは、最初に装着されているストラップだと肌が痒くなったという点でした。ほぼ24時間装着しているので仕方がないかなという気もしますが、装着する場所をずらしてもストラップを毎日洗っても改善しないので、密着する面積(幅)が大きいストラップと肌との相性が良くないっていないのかなと予想し、メッシュのように穴がたくさん空いた純正のスポーツストラップを購入して交換したところ、それ以降は痒みはなくなりました(毎日洗うのは続けています)。

アプリはよくできていますし、ウォーキングなどの軽い運動でも、あれやこれやと褒めてくれて、嬉しくなるようにできています。例えば合計402kmの移動で“ロンドン地下鉄バッジ”獲得など、歩数や総移動距離が一定に達するとバッジが贈られ、スポーツやトレーニングでなくても、使い続けるモチベーションが下がらないように工夫されています。

正直なところ、外出した際にどれだけ歩いたかといったことは「Google Fit」などのスマートフォンアプリの計測でも代用できますが、Fitbitのように腕に装着している器具は身体の状態をリアルタイムにモニターしているので、動いていない時の運動リマインダーも含めて、より実際的な内容や通知を期待できます。運動すると、心拍数の変化に応じて脂肪燃焼などの予測も細かく表示してくれるので、運動した具体的な効果も後から確認しやすいです。

一方で、不満というか疑問があるとすれば、FitbitはGoogleに買収されグループの一員になっているので、アプリがGoogle Fitなどに統合されないのかな、という点です。Google Fitでは計測したデータについて、なぜそれが重要なのか、改善するとどういうメリットがあるのかなど、そこそこ踏み込んで解説されていて明確に理解しやすいので、今後はこうした部分の発展にも期待したいですね。

太田 亮三