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靴に付けてケイデンスを測れる。3200円のスマートバンド「HUAWEI Band 4e」

ファーウェイの「HUAWEI Band 4e」は、靴にも装着可能なスマートバンドです。一般的なスマートバンドは、腕に取り付け、様々なエクササイズなどに活用しますが、本製品は、靴に取り付ける「フットモード」を搭載し、脚の動きを認識できるようになります。これによりランニングフォームや、バスケットボールでの活動記録、サイクリング時のケイデンスを計測するなど、一風変わった活用ができます。Amazonでの価格は3,278円です。

また、ファーウェイのスマートウォッチシリーズの上位モデル「HUAWEI WATCH GT 2」シリーズと組み合わせて使える「デュアルデバイス接続」が可能で、心拍数や血中酸素レベル、移動距離、速度なども計測できるなど、より活用の幅が広がります。

HUAWEI Band 4e

専用センサー不要でケイデンスが測れる

今回筆者は、HUAWEI Band 4eを使ってサイクリング時のケイデンスを計ってみることにしました。ケイデンスとは、自転車のペダルを1分間あたり何回回転させたかを表す数字です。

一般的なスマートウォッチにも、サイクリング関連の機能はありますが、そのままではケイデンスを計測することはできません。高性能なスマートウォッチといえども、腕に付けているかぎり、脚の回転数までは分かりません。いずれも基本的には速度や移動距離、位置情報などが一般的です。

ケイデンスを計るには通常、自転車用のサイクルコンピューターや、後付けのセンサーなどを車体に取り付ける必要があります。筆者はスマホ用のサイクリングアプリも使うのですが、そちらも同様です。しかし、HUAWEI Band 4eは靴に取り付けることで、ケイデンスの計測が行なえるようになります。専用センサーのように、自転車への取り付け作業が不要なのもメリットです。

製品本体は非常に小さく、付属の腕用のリストバンドか靴用バンドのいずれかに装着して利用します。

フットモード用の靴用バンド(左)とリストバンド
本体はかなり小さい印象です

どちらかのバンドに取り付けると、自動的にバンドを認識して、モードが変わります。といっても、靴用として使う場合は、基本、スマートフォンアプリでの操作になりますので、あまり意識する必要はありません。

フットモード用のバンドにセットすると自動的にモードが変わります
フットモード用バンドに装着した状態
靴紐に挟んで装着します

靴に取り付けて使用する場合、HUAWEI WATCH GT 2シリーズと組み合わせて使用するのがお勧めです。靴に付けると時計としては見られなくなってしまいますし、なにより、HUAWEI WATCH GT 2のGPSや心拍機能なども併用でき、さまざまなデータを記録できます。今回筆者は、HUAWEI WATCH GT 2 Proを同時に使ってみました。

靴用バンドにセットしたHUAWEI Band 4e(左)とHUAWEI WATCH GT 2 Pro

デュアル接続によりケイデンスも心拍数も記録

まずは、Androidのスマホアプリ「HUAWEI Health」をインストールし、HUAWEI Band 4eとHUAWEI WATCH GT 2 Proを両方ペアリングすると、2つを同時に認識して使用できるデュアル接続の状態になります。なお、現時点ではiPhoneでデュアル接続はできないので注意が必要です。

2つのデバイスをペアリングすると両方とも「接続」状態になります

あとは、HUAWEI Healthから「サイクリング」を選んで記録を開始するだけです。基本的にHUAWEI Band 4eもHUAWEI WATCH GT 2 Proも何か操作をする必要はありません。

ボタンをタップすれば記録が開始されます

2つのデバイスを同時に使うことで、HUAWEI Healthでは、一般的な自転車アプリのように走行した道や速度、距離などの他に、ケイデンスや心拍数などが計測されます。

今回筆者は、実際に近くのサイクリングコースまで27kmほどサイクリングをしてみました。と言っても、途中、歩いたり買い物したりもあるのでかなり緩い運動量です。

ケイデンスの精度は優秀

まず、肝心のケイデンスですが、これはかなりしっかり計測できている印象です。筆者の普段乗っている、ミヤタのe-bike「リッジランナー」は、元々サイクルコンピューターが搭載されていて、ケイデンスも測れます。比較してみたところ、サイクルコンピューターとの誤差はほとんど感じられませんでした。

位置情報などと同時にケイデンスや心拍数も確認できる

HUAWEI Band 4eは、計測開始までに数秒のタイムラグはあるのですが、計測が始まってしまえば、ほぼリアルタイムで計測できている印象です。信号などで一時停止すると、再開に数秒かかる、という感じです。走り始めれば、回転速度にリアルタイムで反応するので、実用的な問題はまったく感じません。

アプリでは、ケイデンスの他、現在地と速度や距離、心拍数、消費カロリーなども走行中にリアルタイムで見ることができます。「これだけ走ってもカロリーはこんなものか……」というのが分かるのも面白いです。筆者の走り方のぬるさがよく分かります。

走行後には、ケイデンスや心拍などの情報と一緒に、移動経路や速度、距離などをグラフで見ることができます。

走行データの概要
履歴も保存されます

ケイデンスのグラフに心拍や速度、高低差などをグラフで重ねて表示することができるので、どこでケイデンスを上げたか、そのときの心拍はどうだったか、というのが一目瞭然です。いつ速度を上げたか、普段はどのくらいの速度とケイデンスで走っているのか、傾向がわかります。

ケイデンス表示
ケイデンス、心拍数、速度を重ねて表示したところ
情報の詳細表示

多用途に使えるスマートバンド

HUAWEI Band 4eは、もちろん単体でも使用できます。単体でもフットモードを使ってケイデンスを計測できますし、ランニング時には、ランニングのパフォーマンスに影響する接地パターンやランディングインパクト、接地時間などから、ランニングフォームの分析を行なえます。

腕に付ければ、時計としても使えるのはもちろん、歩数計やカロリー、スマホの着信やメッセージのリマインダーなどの機能も利用可能です。

HUAWEI Band 4eは、フットモードを搭載することで、これまでのスマートバンドでは出来なかった運動の計測が可能になりました。また、HUAWEI WATCH GT 2 Proと組み合わせることで、自転車のサイクルコンピューターなどでは得られないケイデンスや心拍の情報が得られ、活用の幅も広がります。

HUAWEI Band 4eの価格は比較的安価ですので、自転車のケイデンスを計ってみたいけれど、専用のセンサーを買うほどでもない、と言う人や、「スマートバンドというものを試してみたい」という人でも手軽に試せる一品といえます。

清宮信志