いつモノコト

編集部が解散したからトランクルームを借りた

屋外型のレンタル収納スペース。扉のついた箱が並びます。同じように見えますが、複数の広さが用意されています。収納物の量との兼ね合いで選びたいところです。なお、筆者が利用しはじめたところでは、別の広さのところに移るには解約/再契約が必要になるとのことでした

トランクルームを借りました。

漢字で書けば貸し倉庫、英語ではSelf strageというそうです。厳密には色々な分類があるようなのですが、筆者が借りたのは、屋外に設置されたレンタル収納スペースです。

大量の私物を自宅に受け入れる余裕がない

きっかけはアサヒカメラの休刊でした。

筆者は今年の7月号で休刊になったアサヒカメラで編集者(業務委託)をしていたのですが、次の席は用意されなかったので、私物は持って帰らなければなりません。アサヒカメラでは14年、その前のアサヒパソコンまであわせると22年くらい机があったことになります。自前のパソコンを持ち込んでいたり、私費で購入していた資料や文具の類、写真だったり、個人的にもらったもの、私物はかなりの量になります。編集部でかなり捨てたり、古いディスプレイなどは日本カメラの友人に進呈したりしたものの、それでも段ボールにして6箱、それにこれまで関わったアサヒカメラが14年ぶんあります。

14年分のアサヒカメラ(の一部)

今住んでいるのは一軒家ですし、普段の生活では多少荷物が増えても困らないのですが、さすがにこの荷物を一気に持ち帰るとなると置き場所に困ります。もちろん、自宅を片付けて置き場所を確保するのが一番というのは分かるのですが、なかなかそれも気が進みません。すぐにやらなくてもいい後始末というのは、やはり手を付けづらいものです。

かといって、解散する元編集部にいつまでも置いておくわけにもいきません。期限は切られていました。

「さて、困ったな」と思いながら車を走らせていたときに目についたのが、トランクルームの看板です。「そうだ、トランクルームを借りてとりあえず置いておけばいいじゃないか。多少はお金がかかるにしても、部屋を片付けるまでの時間を稼げる」と。つまり問題の先延ばしです。本質的な解決ではありませんが、少なくとも誰にも迷惑をかけることなく、解決(?)できます。

つまり、私の目的はテンポラリとしてです。今片付けられない荷物を仮に置いておく場所としての利用です。普段は使わないものを置いておくといった多くの人の用途とはちょっと違うかもしれません。

条件は場所と値段と広さ

当初は、荷物は車で運ぶのだから多少遠いところでもいいかと考えていたのですが、Webで探してみると、意外にも自宅近くに数多くあります。地図上で位置を確認すると、そんなところにあったっけな? というものも少なくありません。扉のついた箱が並んでいるだけですし、目に入っていなかったようです。あまり遠くだと億劫になるでしょうから、これは幸いです。未来の自分なんて、信用できるわけありません。

とりあえず置いておくだけなので、値段は安い方がいい。広さはそれほど要らないという条件で検討を進めます。いくつか見ていたら、オンラインで申し込め3カ月料金が半額というキャンペーンをやっているところを見つけます。自宅からは少し離れているものの、広さは1.5畳。この中でちょっとした作業もできそうなくらいの十分な広さです。鍵も宅配便で送られくるようでオンラインで全て済むようです。

ただし、実際にはここにはしませんでした。

申し込むために、まず会員になる必要がありますが、フォームに住所などを記入して登録すると、いきなり記入したメールにパスワード(IDはメールアドレス)が送られてきました。メールアドレスの本人確認はありません。ログインすると住所などを確認できてしまいます。最近、他人が勝手に自分のメールアドレスでヤマト運輸のクロネコメンバーズに登録したということがあり、神経質になっていたこともありますが、いまどきのサービスとしては、ちょっと躊躇するものがあります。

結局、別の業者で、自宅から近い0.6畳の広さのところにしました。事務所に行って契約する必要がありましたが、説明を受けて書類に記入、印鑑を押すだけ。支払いはクレジットカードにしたのですが、信販会社を介してスマートフォンで引き落としの手続きをその場で済ませるという具合です。

実際に借りたのは、約0.6畳のスペースで月額3,900円。段ボール6箱と、アサヒカメラ数年分でこれくらいでした。上の方はかなり余裕があります。もっと狭くてもよかったかもしれませんが、これが最小スペースでした。なお、同じ敷地内で約1.2畳だと8,100円、約7.1畳だと41,000円のようです

スペース選びは扉や太陽の向きも注意

隣り合った2つのスペースが空いているけど、どちらがいいか聞かれました。どちらでもいいと思ったのですが、扉が開く向きが異なるといいます。車から荷物を運んだとき、奥にトビラが開く方が搬出入が楽とのアドバイス。なるほどと、そのお勧めに従うことにしました。実際に荷物を運んでみると、たしかに手前側に扉が開くとなると、回り込まなきゃいけないのは面倒くさそうです。

また、太陽が直接当たるところだと中の温度が高くなりがちという注意も受けました。私が借りたところは、ちょうど日陰になりやすいところなので、それほど心配はいらないでしょうとのことでした。ただし鍵は自前で用意する必要があるそうで、販売していたので、その場で南京錠を購入しました。現地では、仮についているダイヤル式の鍵を外し、購入した鍵をつけるという具合です。

我ながらいやらしいと思いながらも、南京錠の値段を通販サイトで調べてみると、この4,000円というのは決して高くないようでホッとしました。携帯ショップのメモリーカードとは違うようです。

複数空いている場合は、車からの運びやすさも考慮した方がよさそうです。今回は、車を横づけできるところではないのですが、扉が奥に空くところにしました。また太陽光が直接当たると中が暑くなることもあるということでしたが、周りは囲まれており、扉は北向きというのは良かったのかもしれません
私が借りたところは、鍵は自前で用意する必要があるとのことでしたので、契約時にあわせて南京錠を購入しました。ABUSの24IB/60で4,000円でした

使用料は、管理費や保険などがコミコミで月額3,900円。場所や広さ、業者によって値段は様々ですが、私が検討した中では安い方です。支払い額は、日割り計算になる8月分のを含めて前払いで10月分まで、申し込み金のような返金されない基本管理整備料が1カ月分、前述の南京錠が4,000円の合計19,496円でした。なお解約は前月申請の、月割りなし月末までとのことでしたので、9月の時点で10月に解約できるようにしたいと思います。あくまでも目標ですが。

編集部にあった私物はすべて運びこみました。まずは部屋の片づけからです。

猪狩友則

フリーの編集者、ライター。アサヒパソコン編集部を経て、2006年から休刊までアサヒカメラ編集部で編集者。その他ムック等の編集、ソフトウェアの使い方や各種仕組み解説、スマートフォン関連の執筆もおこなう。趣味はマイル修行。