ミニレビュー

ミズノの高反発ソール「MIZUNO ENERZY」とお手頃シューズで走り比べ

「ミズノ史上最高の反発性」というソール素材「MIZUNO ENERZY」を搭載したランニングシューズ7モデルが出揃いました。これを機に、ミズノはメディア向け体験会を実施。9月に発売された「WAVE RIDER 24」(12,900円)を履いて走るとともに、自前のお手頃価格ランニングシューズと走り比べもしてみました。

MIZUNO ENERZYとは、ミズノが独自に開発した高反発ソール素材。柔らかさによってためた接地時のエネルギーを、ロスを少なく反発させる素材を約2年かけて開発したそうです。

ミズノ史上最高の高反発ソール「MIZUNO ENERZY」搭載シューズ

数量限定で販売されたコンセプトモデル「THE MIZUNO ENERZY」。2,000足がすでに完売している

MIZUNO ENERZYには、最も柔らかさと反発性が高い「MIZUNO ENERZY CORE」、軽量タイプの「MIZUNO ENERZY LITE」、標準的な「MIZUNO ENERZY」の3タイプがあります。

MIZUNO ENERZY搭載ランニングシューズのラインアップは、「WAVE DUEL NEO」「WAVE RIDER NEO」「WAVE RIDER 24」「WAVE SKY NEO」「WAVE SKY 4」「WAVE REVOLT」「WAVE SHADOW 4」の7モデル。

このうち、DUEL NEOがMIZUNO ENERZY LITE、SKY NEOがMIZUNO ENERZY COREを採用し、それ以外はMIZUNO ENERZYを採用しています。なおランニングシューズ以外にも、ウォーキングシューズ「ME-01」などでMIZUNO ENERZYが搭載されています。

高反発ソール“MIZUNO ENERZY”ウォーキングシューズ「ME-01」

今回体験したWAVE RIDER 24は、「クッション性と反発性のバランスの良さにより、スムーズな走り心地を提供する」と訴求しています。

WAVE RIDER 24

普段使いもできそうなデザインで、「ランニングを始めるぞ」と購入した後、三日坊主で終わったとしても、靴箱で眠ることはなさそうです。

MIZUNO ENERZYが搭載されているのはかかと部分の、黒い波型の板のような物の下です。

黒い波型の板のような物は、「MIZUNO WAVE」といって、これまたミズノの基幹機能。縦方向の衝撃を吸収し、横方向のズレには安定性を発揮することで、シューズに求められるクッション性と安定性を両立させる役割を担うそうです。MIZUNO WAVEはビジネスシューズでも採用されています。

マドラスとミズノのコラボビジネスシューズ

ミズノと青山、クッション性と安定性を両立したビジネスシューズ

走ってみたら、足が弾むような感覚を味わえた

製品の紹介はこれくらいにして、いざ実走。の前に、私のランニング紹介を。週1~2回(を目標に)走る程度。距離は大体3~4km、過去1年でピーク時でも10km弱で、ハーフやフルなど縁も興味もありません。あと、夏は暑いので走りません。ということで、緩いレビューをお楽しみください。

さて、履いて歩いてみると、さすが強調するだけあって、クッション性を感じます。かかと部分に厚みと柔らかさがあり、かといってぐらつく感じもありません。これが「安定性」なのでしょう。また、MIZUNO ENERZYが仕込まれたかかと部分だけにクッション性があるのではなく、前側にも適度なクッション性があり、バランスよく感じます。

続いてランを試してみると、なんだか足が弾むような感覚を味わえます。客観的に見ているわけではないのであくまで感覚ですが、いつものダラダラ走りではなく、足が上がったキビキビした走りができているような気がします。

とはいえ、単体で履いても「良いシューズですね」としか言えないところもあるので、右足にいつも履いている自前のお手頃価格ランニングシューズ、左足にWAVE RIDER 24を履いて走ってみました。自前のシューズの購入価格は覚えていませんが、5,000円前後だったように思います。

このように比較してみると、違いがものすごくよくわかります。自前のシューズは地面に足が着く感覚が“ベタッ”という感じで、地面に張り付く感覚です。

これに対し、WAVE RIDER 24はピョンと跳ねる感じですぐに足が上がり、地面に足が着いている時間がほぼないような感覚。おかげで左足で蹴った時だけ、より前進しているように感じます。実際には接地時間は変わらないとは思うのですが、自前の“ベタッ”が強烈すぎて、このような差として感じてしまうんです。

そしてもう1つ実感したのが、足首や膝といった関節に感じる衝撃の差。自前のシューズは足が地面に落下した瞬間の衝撃を感じるのですが、比較しているせいもあって、WAVE RIDER 24はほとんどそれを感じません。若年層の方にはその差はあまり感じないかもしれませんが、中高年齢層の方であれば、より強く実感できるものと思います。

クッション性と安定性があるからといって衝撃や負荷がゼロになるわけではないので、ランニングを起因とする関節痛を防げるとはいえないかもしれません。しかし感覚としては、WAVE RIDER 24は関節に優しいと思います。

結論として、距離を伸ばす、タイムを縮めるなどの目標をもって走っている方はもちろん、運動不足解消や体力維持を目的に緩く走っている人、またこれから始める、続けるかどうかわからない人も、WAVE RIDER 24のような高性能シューズを選ぶべき、ということをMIZUNO ENERZYに思い知らされました。

ランニングはストレス解消になりますが、関節を痛めると私生活にストレスを及ぼします(経験有)。シューズは安易に選ぶのではなく、MIZUNO ENERZY搭載シューズを含め、良いものを試しながら選ぶことをお勧めします。そしてWAVE RIDER 24は、これで12,900円なら、コスパもいいと思います。

加藤綾