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au PAYとカード融合で体験向上 キャッシュレス浸透期のau新戦略

新生auフィナンシャルサービスが7月1日にスタートする。「au PAY」のauペイメントと「au PAYカード」などを展開しているauフィナンシャルサービスが合併し、“浸透”フェーズに入った国内キャッシュレス市場での事業拡大を目指す。

auペイメントとauフィナンシャルサービスが合併

新体制のキーワードは「ReWire(つなぎ直し)」。キャッシュレスは進展したが決済手段ごとに体験は分断。コード決済やアカウント決済、カード決済などそれぞれに「個別最適」したユーザー体験を生んだ。新体制では、カードとコード決済のほか、ポイント、金融など多くのサービスを「ウォレット」に集約し、顧客起点の各種機能をau PAYアプリに統合してリニューアルする。

あわせて、ウォレット上にパーソナルAIエージェントを構築。金融データとともに、一人ひとりに寄り添った体験を提供する。

また、各個店向けには次世代決済プラットフォーム「NESTA」を強化し、2027年春に小規模店舗向けの決済システム「NESTA mobile」(仮称)を提供予定。このNESTA mobileとスマホを入口として、加盟店の体験をつなぎ直し、資金繰り支援や集客サポート、DX/業務効率化などのサービスを提供していく。

決済という顧客接点を起点とし、AIエージェントとデータ基盤の価値向上サイクルを構築し、利用者の体験価値を高めていくという。

直近の対応としてはau PAYとau PAYカードの連携を強化する。

7月からは、オートチャージ特典をau PAYカードにも拡大。従来はau PAYゴールドカード契約者向けにオートチャージ特典を付与し、最大5.5%還元(通常特典0.5%+オートチャージ特典5%)としていたが、年会費無料のau PAYカードも最大2.0%(0.5%+1.5%)とする。この特典はauとUQ mobile、povo 1.0契約者が対象となる。

また、au PAYアプリからau PAYカードの即時発行に対応。申し込みから最短数分でカード利用可能となる。なお、他社が強化している「プラチナカード」などの上位の券種については、「他社の動きやニーズなどを踏まえて検討したい」とした。

体験の「複雑化」を解消 キャッシュレスの「恩恵」を重視

auフィナンシャルサービス長野敦史社長は、auペイメントとauフィナンシャルサービスの統合と今後の戦略について説明した。au PAYは会員数4,042万人、ポイント・決済加盟店数は869万まで拡大し、au PAYカードは会員数1,082万人、au PAYゴールドカードは200万会員と広がっている。通信をベースとした顧客基盤を活かしながら国内最大級の決済ネットワークとなっている。

加えて、国内のキャッシュレス比率は2025年に58.0%となり、「普及フェーズから浸透フェーズに入った」と説明。右肩上がりの市場からより成熟した市場に移行しつつある。

一方で、課題となっているのが、消費者・事業者の体験の「複雑化」だ。

消費者においては、決済手段が乱立し、どれを使えばよいかわからない、使い分けが面倒という課題が生まれつつある。事業者においては、導入・維持コストとともに、煩雑なオペレーション、付加価値実感の不足などが課題とされる。

そのため、新会社では消費者・事業者がキャッシュレスの恩恵を実感できるよう「体験」を重視した取り組みを進める。

消費者向けにはau PAYアプリを起点とし、「ウォレット」に機能を集約。決済からファンドソース(クレジット/デビット/プリペイド)、銀行・資産運用などの金融サービス、ポイントやヘルスケアなどのライフサポートまでを統合し、AIエージェントを活用しながらウォレットを再構築する。この展開は27年度以降としている。

事業者向けには前述のNESTA mobileを起点とし、通信事業者とスマートフォンのノウハウを持つ強みを決済や店舗領域で活かしていく狙い。NESTA mobileで資金繰り支援や集客支援などの機能も提供していく。

25年度の売上高は1,773億円、営業利益は272億円だが、今後、2030年まで売上高・利益ともにCAGR(年平均成長率)2桁成長の継続を目指す。カード発行枚数等の目標は非公開だが、決済事業のイシュイングの継続的な拡大と、NESTA mobileなどを成長領域とし、強化を図る。