ニュース

NTTとOIST、東シナ海で水蒸気観測 九州の線状降水帯予測へ

NTTと沖縄科学技術大学院大学(OIST)は気象研究所と連携し、東シナ海で海上の水蒸気観測を開始する。気象衛星では捉えにくい台風直下や線状降水帯周辺のデータを直接収集し、九州地方へ流れ込む暖かく湿った空気の把握や、線状降水帯の発生・発達メカニズムの解明、雨量予測の精度向上を目指す。

2025年度には、台風7号、8号、12号、23号の周辺で観測を実施。台風通過に伴う気圧、風速、風向、海水温の変化を取得した。これらのデータを予測実験に利用したところ、台風の最大風速予測が改善した事例を確認したという。

2026年度から、従来の沖縄周辺での台風観測に加え、観測範囲を東シナ海へ拡大する。海上は水蒸気の詳細な観測データが少なく、線状降水帯の予測精度を高めるうえで課題となっていた。自律航行型の無人海上観測機器やブイなどを活用して海上の水蒸気を直接観測し、九州へ流入する水蒸気量や分布を解析する。

沖縄周辺での台風観測も継続し、台風の発生・発達過程の解明や、強度・進路予測の精度向上を目指す。

またNTTは、気球と省電力無線通信「LPWA」を組み合わせた低コストの海上気象観測技術の実証も進める。共同研究で得たデータを線状降水帯や台風の予測精度向上に役立て、自治体や住民の早期避難、防災対応への貢献を目指す。