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AMD、宇宙でのAI活用を展望 軌道上データセンターも言及

AMDは27日(米国時間)、宇宙空間におけるAIの展望を発表した。衛星や宇宙船におけるエッジコンピューティングや、将来の宇宙での大規模データセンター構想を見据え、宇宙をエッジコンピューティングにとって最も要求の厳しいフロンティアと位置付ける。

宇宙空間では、電力や熱の制約、断続的な通信、長期運用、信頼性、自律性への要求が地上よりも厳しい。AMDは、こうした環境でAIを活用するには、取得したデータを地上に送って処理するだけでなく、衛星や宇宙船の内部で判断・処理するオンボードAIが重要になるとする。

衛星や宇宙船にAIを搭載することで、地上との通信が途切れている間でも、機体側で判断や処理が行なえるほか、価値の低いデータ(地球観測における雲の多い画像)を破棄したり、緊急性の高い事象(山火事の初期兆候など)を検出したりできるという。これにより、限られた帯域幅を有効に使い、重要なデータを優先的に扱える。

また、将来の展望として、軌道上のデータセンターについても言及した。宇宙空間でのデータセンター構想では、太陽光発電や低温環境を活用した大規模な計算基盤の展開が検討されている。

一方、宇宙では電力、放熱、耐放射線性、通信が大きな制限となる。特に、真空中では空気による冷却ができないため、余分な熱はラジエーターに伝導させる必要がある。

AMDは、大規模な軌道上コンピューティングでは、モジュール式で保守可能なシステムを想定する。各モジュールが発電と放熱を管理し、高速かつ低遅延の相互接続によって連携する構成となり、必要に応じてモジュールを交換しながら運用するモデルになるとする。

同社は、こうした構想を支えるため、CPUやGPU、FPGA、アクセラレータなどを用途に応じて組み合わせられる計算基盤と、モジュール設計の考え方を組み合わせたプラットフォームを提供していく考えを示している。同社の適応型コンピューティングは、NASAの火星探査車やアルテミスIIミッションにおける画像処理や航法アクセラレーションなどに活用されている。