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空きスペースに設置できる「オフィスローソン」を見てきた
2026年4月7日 18:31
KDDIとローソンは、「オフィスローソン」の新しい形態の実証実験を4月7日から開始した。オフィス空間に合わせて柔軟に商品棚の構成を変更できるのが特徴で、対象の新店舗「ローソンS KDDI多摩センタービル店」が報道陣向けに公開され、その取り組みや狙いが解説された。
オフィス内に狭小の無人コンビニをサテライト店舗として展開する「オフィスローソン」は、2027年度中の事業化を計画しており、今回の実証実験は、ニーズを把握し課題を洗い出すための取組みと位置づけられている。
サテライト店舗とは、親となる別の店舗の管理下で運営される形態。独立した店舗名が与えられ管理も独立する場合と、親店舗と完全に一体運営される場合の2種類があるという。「ローソンS」のSは「Satellite」(サテライト、衛星)の意味。サテライト店舗にスタッフは常駐せず、親店舗から派遣されるスタッフが棚の管理や在庫の補充を行なう。
例えば、KDDI高輪本社の17階(執務フロア)に「ローソンS KDDI高輪本社店」がオープンしているが、これは同ビル6階の受付フロアにある「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」のサテライト店舗という位置付け。また、KDDI新宿ビルには「ローソンKDDI新宿ビル店」が2月にオープンしているが、最近になって別フロアにサテライト店舗をオープンしたという。
KDDI多摩センタービル店で実証実験が行なわれる新しい形態は、商品棚を「ユニット」として柔軟に組み合わせられる「ユニット型店舗」。施設やオフィスに合わせて棚の内容を柔軟に変更可能で、工場で作られた棚を搬入し設置するだけで、電源さえあれば“ミニコンビニ”を設置できるのが特徴。
「ユニット型店舗」を実践するKDDI多摩センタービル店は、同ビル1階の余剰スペースに設置されており、9坪にも満たない面積。壁などの仕切りがないため、棚や商品に自然に近づける雰囲気になっていた。
なお、ユニット型店舗は、「からあげクン」などフライヤーを用いる店内調理の商品には非対応。フライヤーの設置が現実的でないほか、親店舗からの搬送も衛生管理の面で実現できないという。コーヒーマシンは牛乳に非対応で、カフェラテメニューを提供しないタイプ。ローソン店舗の「マチカフェ」とは異なるマシンだが、ローソンが味を監修しているとのこと。
オフィスローソンのもうひとつの大きな特徴は、決済をすべて専用スマートフォンアプリで行なう「スマホレジ」を導入している点。ビーコンによる自動チェックインが基本で、スマホで商品のバーコードを読み取って決済する。アプリでは割引やクーポンの提供も可能。
有人レジが無く、フロアを監視するカメラなど「決済関連の大掛かりな設備」が不要で、ビルの中の小さなスペースにすぐに展開できる。店舗エリアを外と区切る壁も不要としているため、お昼時などの混雑時に“入店待ち”が発生することもないという。
KDDI高輪本社17階の「ローソンS KDDI高輪本社店」は、利用する社員の平均滞在時間が2分と、非常に短いことが明らかになっている。使い慣れた社員は、あらかじめ決めておいた商品をピックアップしてスマホで決済しすぐに退店するとのことで、スマホレジの仕組み自体が混雑緩和に貢献しているとのことだった。
一方で、スマホアプリの使用が前提のため、オフィスローソンの取組みは、一定以上のITリテラシーがあるユーザー層がターゲットになる。また、壁がなく、万引きなどの防犯対策は限定的になるため、公共性の高い場所ではなく、オフィスビルの中など“施設の中”への出店を基本とする。ATMは、店舗を設置する場所のセキュリティ次第で検討する方針。












