いつモノコト

“高級つめ切り”ってどんな感じ? 「SUWADA」を買ってみた

「SUWADA クラシック L」とつめやすり

高級つめ切り「SUWADA クラシック L」を購入し、数カ月使ってみたので、簡単に紹介してみたいと思います。Amazon.co.jpでの価格は9,130円、一緒に購入したつめやすりは2,200円でした。

「つめ切り」は普段の生活で必ず使う道具ですが、私はこれまで特にこだわっていたわけではなく、引越し直後とかの、どこかのタイミングで間に合わせで買ったものをずっと使っていました。大きな不満はありませんでしたが、つめやすりが本体側面に付いているちょっと珍しいタイプで、そこがポロっと取れてしまったため、これを機に買い替えることにしました。

そこでふと、父親が昔、ドイツ製のニッパータイプのつめ切りを使っていたことを思い出しました。私は使ったことはありませんでしたが、ニッパータイプは本格的なつめ切り、というイメージが残っていました。刃物は日本メーカーも得意だろうということで調べてたどり着いたのが「SUWADA」(諏訪田製作所)のつめ切りです。

諏訪田製作所はニッパー型刃物に特化した、2026年で100周年を迎えるという歴史のある新潟・三条のメーカー。全工程が自社の職人による手仕上げとのことで、実際に製品を手にしても、すさまじい完成度であることが容易に伝わってきます。装飾がまったくなくても、惚れ惚れするほどの機能美があります。ネイルサロンのプロや医療従事者にも使われているとのことで、品質の高さは折り紙付きです。

日本製の刃物は外国人観光客にも人気ですが、このSUWADAのつめ切りも日本土産として注目されているようで、百貨店だけでなく、青山や銀座のセレクトショップでも見かけるようになっています。

サクっと切れて断面も綺麗

「クラシック」の本体は、国産の高級刃物鋼(ハイカーボンステンレス鋼)の棒材で作られていて、手にするとズシリと重く、それだけですでに“別モノ”感があります。「クラシック」はグリップ部分も金属で一体になった製品ですが、丁寧な仕上げのおかげか、持ってみると硬質感よりもむしろ柔らかさを感じます。カーブ刃が隙間なく閉じる様は圧巻で、境目がほとんど見えなくなるなど、熟練の職人技で非常に精巧に作られています。

実際に使ってみると、一般的なこれまでのつめ切りは「パチン」という音がして一気に切れる動きだったのに対して、SUWADAのつめ切りは「ボクン」というくぐもったような音がして、切っている最中の感触がわずかに分かります。最初に刃が食い込み、その後にサクっと切れる感じでしょうか。つめへの負担が少ないと感じますし、刃の端を使って切っても、切れ味や必要な握力といった感触がほとんど変わらないのもすごいところです。

切った断面が非常に綺麗なのも特徴で、断面を撫でてもザラザラした感触がなく、つめやすりがいらないのでは? と思えるほどです(私は一緒にSUWADA製のつめやすりを買いましたが)。

その形状から、切ったつめがピョンと飛んでしまうことは、ままあります。飛んだり飛ばなかったりしますが、私は人差し指をフタのように(密着させませんが)あてがうといった工夫をしています。

刃の先端側の端はかなり尖っているので、手先の器用さに自信がある私でも、すこし緊張感を覚えます。このあたりは使う人を選ぶ部分で、子供や手元が不安なお年寄りには向かないと思います。

とはいえ、この尖った形状は、つめの端を圧倒的に切りやすいというメリットがあります。普通のつめ切りでは刃を当てることが難しい場所にも簡単にアクセスできるので、例えば巻き爪になってしまったつめの手入れや、足の小指の端で小さく割れてしまったつめ、さかむけで細く浮いた皮なども、的確に問題部分だけをカットできます。

切れ味、バネの効き具合、落下などでの破損など、各部はメーカーでメンテナンスや修理が可能で、一生モノとして付き合えます。一方、SUWADAの製品を買い替える際には、古い製品を金属資源として回収し購入を支援する取り組みも用意されています。

刃の鋭さや尖った形により、一般的なクリッパータイプのつめ切りより慎重に扱うべき製品で、より“刃物”に近い感覚ですが、使い始めてから数カ月経っても、そうした点を補って余りある魅力を感じています。

つめ切りという行為は、普通は仕方なくやる、ちょっと面倒な“作業”だと思いますが、SUWADAのつめ切りを使い始めてからは、「よし。あのすごい切れ味のつめ切りで切るか」というように、作業ではなく、精巧な道具を使う喜びを感じられる時間になりました。

最初は「つめ切りに9,000円て!」と思いましたが、今なら「妥当ではないか」と思えます。鋭い切れ味だけでなく、機能美あふれるデザイン、熟練職人による非常に精巧な仕上げなど、どこをとっても非常に満足度の高い製品です。

太田 亮三