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ついに日本上陸したMeta AIグラスの期待と課題

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ついに、MetaのAIグラスが日本で発売開始されました。2021年の第1世代のスマートグラス「Ray-Ban Stories」の登場から5年で、いよいよ日本でも「Ray-Ban Meta(Gen 2)」などが購入可能になりました。

価格は73,700円~96,580円とやや高価ではありますが、カメラとAIを搭載した最新スマートグラスであること、そしてRay-BanやOakley等の有名ブランドのサングラス/メガネであることなども含めて魅力的な商品になっていると思います。

短時間ながら発表会で体験しましたが、音声でハンズフリーでAIと対話できることや、視界をカメラで記録できる体験は新鮮です。「Hey Meta」という音声での呼びかけへの反応は、英語版より少々遅く感じましたが、Metaではライブ翻訳などを含めたアップデートを行なう予定とのこと。今後ユーザー拡大にあわせて改善していくと思われます。

「いよいよ本格的なAIグラス普及時代? 」と期待したいところですが、個人的にはそこまでスムーズに進むとは考えていません。

大きなものは、「プライバシー」の問題でしょう。グラスにカメラが搭載されており、視界をそのまま写真撮影や動画記録ができます。それがMeta AIグラスの最大の特徴でもあり、MetaでもLEDライトを光らせて周囲の人に通知する仕組みを取り入れていますが、その問題を理解するには、周囲の人がLEDライトが「光ったら撮影」と知っていなければわかりません。

現状、「正しく」使うには利用者だけでなく、周囲の理解も必要なデバイスと言えます。そうした意味では、技術的になにができるかだけでなく、社会がどのように受け入れるか、という社会的受容性の問題も大きいと思われます。

もちろん、Metaもそのようなことは重々承知しています。

発表会では、 Facebook Japan代表取締役の味澤将宏氏が、LEDライトの機能で配慮していることを強調したほか、安心・安全に利用するためのユーザーガイドラインを周知するなど、日本展開にあたって多くの配慮を行なったことを訴えていました。

見ているものを理解し、翻訳し、対話する。似たようなことはスマートフォンでもできるのですが、ハンズフリーかつ視界そのものを記録できるという体験は、やはり新しさと可能性を感じさせます。ぜひ多くの人にAIグラスを体験してみてほしいと考えていますが、BeRealの問題もそうですが、新しいサービスは予想外の利用から、社会的な問題も起こりうるとは予想されます。

そうした意味でもMetaには継続的な啓発や活動を期待したいところです。その点では、西田宗千佳氏によるMetaへのインタビュー記事では注目したい発言もありました。

「競合」について、なぜMetaがAIグラスの代名詞的な存在になったのか? MetaのVP of WearablesのAlex Himmel氏はこう答えています。

「私たちがこれまで成功を収めてきた背後にある決定的な要因は「やり続ける」という私たちの意志です」

日本市場においても、継続的に改善や課題に取り組み、成功につなげていくことを期待したいと思います。