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NTTとQST、核融合制御に1万分の1秒通信 従来困難な条件で世界初

量子科学技術研究開発機構(QST)とNTTは、核融合炉の高速プラズマ予測・制御に向けた高頻度リアルタイム通信を実現した。従来は困難だった条件で、プラズマの安定化に必要な超高速かつ大容量の通信を世界で初めて可能にした。

核融合炉に必要な高い圧力のプラズマを安定的に保持するためには、急速に大きくなるプラズマの乱れを1万分の1秒以下という短い時間で高速に制御する必要がある。一方、設備規模の拡大と制御ロジックの複雑化により、制御ネットワーク内の計算機間の通信は長距離化し、通信データ容量は増加している。しかし、従来技術では、1万分の1秒以下という時間での高頻度のリアルタイム通信を、想定される距離とデータ容量で実現することは困難だった。

世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置「JT-60SA」では、高頻度のリアルタイム通信を行なう専用ネットワークの設計を進めており、今回、制御システム内で活用できる通信技術を確立し、実証試験を実施した。その結果、従来技術では不可能だった、1万分の1秒以下での高頻度のデータ通信を実現することに世界で初めて成功した。

この技術は、JT-60SAの今後の加熱実験において高圧力プラズマのリアルタイム制御を行なうには不可欠であり、より大きなプラズマを少数の計測器で予測しながら制御するために多くの制御計算機群が必要となる「イーター(ITER)」や原型炉(JT-60SAやイーターの成果に基づき建設される次期装置)などの核融合炉のリアルタイム予測制御に繋がる画期的なものとしている。