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ヤフオク、高額商品の鑑定サービスを開始 偽造品対策でスニダンと連携
2025年11月19日 15:48
LINEヤフーは19日、「Yahoo!オークション」において、スニーカーダンク(スニダン)との連携による鑑定サービスを開始した。ファッション、アクセサリー、時計、トレーディングカードの高額商品を対象に、スニダンの真贋鑑定を通じて偽造品の流通防止と取引トラブルの抑制を図る。
近年、オンラインCtoC取引における知的財産侵害は深刻化しており、財務省の発表では2024年の税関による輸入差止件数は3万3千件を超え、過去最多を記録した。また、商品すり替えや虚偽の説明による不正行為など、取引のトラブルも多様化しているという。
Yahoo!オークションでは従来から、偽造品対策として出品ガイドラインの厳格化や本人確認、AIによる監視などの仕組みを導入している。しかし、画像だけでは真贋の判別が難しい商品や、すり替え詐欺といった非対面取引特有の不正には、これらの既存対策だけでは対応しきれないケースも増えている。実際に、正規品を装って偽造品が送られる、あるいは購入者が正規品と偽物をすり替えて返品するなど、多様なトラブルが発生している。
こうした背景を受け、取引後に実物を鑑定するプロセスを導入することで、取引の安全性を根本から高める狙いがある。
鑑定サービスでは、「鑑定付き」と表示された商品が落札された際、出品者は商品をスニダンの拠点へ発送。スニダンが商品説明と画像の整合性、真贋の鑑定を行ない、正規品と判断された場合は「鑑定済バッジ・シール」を添えて落札者に発送する。これにより、落札者は信頼性の高い商品を受け取り、出品者も正規品であることの証明が可能となる。
対象商品は、トレーディングカード(シングルカード)は2万円以上、ファッション、アクセサリー、時計およびカード(ボックス・パック)は5万円以上で、対象ブランドは257に及ぶ。出品者・落札者双方とも、鑑定料や鑑定所からの送料の負担は当面発生しない。
スニダンを運営するSODAの内山 雄太氏は、100名超の鑑定士が在籍する拠点「スニダンベース」の存在や、X線透過装置・赤外線・UVライトといった技術を活用した鑑定体制を紹介。鑑定精度99.97%を実現した背景には、目視に加えた再現性の高い技術とデータの活用があると説明した。
鑑定サービスは当面、LINEヤフーの費用負担で提供されるが、今後の取引量や運用コストに応じて有料化を検討するとしている。
ユーザーはこれまで通り匿名配送「おてがる配送」を利用でき、出品者は鑑定所への発送後、鑑定通過をもって売上金の入金が可能となる。









