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メルカリ、スポットワーク撤退で収益改善 好スタートの第1四半期決算

メルカリは7日、2026年6月期第1四半期決算を発表した。売上収益は前年比10%増の494億円、営業利益は同128%増の93億円。メルカリのプロダクト改善によるGMV成長率の回復のほか、USのプラス成長、及びFintechにおけるCreditサービスの伸長などにより「好調なスタート」となった。

日本のメルカリ(Marketplace)では、GMV(流通総額)が2,703億円と前年比5%の成長となり、営業利益は84億円(前年同期比18億円のプラス)で、撤退を発表したスポットワークの「メルカリ ハロ」を除くと95億円となった。昨年来見直しを続けてきた「安心・安全」に関する取り組みによる成果が出てきているほか、8~9月に実施した小型便の配送キャンペーンなどが貢献。また、エンタメ・ホビーなどが寄与したという。

さらに、12月18日に撤退するメルカリ ハロのための投資額縮小もあり、収益性を改善している。

メルカリ ハロの今期コア営業損失は11億円。2024年3月から事業を開始し、スポットワークに本格参入したものの、わずか1年9カ月での撤退することとなった。撤退理由については、「パートナー・クルー獲得の両面における競争激化、新たな規制、不正対応への負担増加などの業界環境の変化」などを挙げており、さらなる成長には多額の追加投資が必要で、「他社とのパートナーシップなどの選択肢も模索したが、各種KPIの状況等を勘案し、グループ内における投資優先順位の観点で終了を決定した」としている。

ハロ撤退にともなう決算への影響は軽微としており、業績予想の修正は行なわない。

なお、「安心・安全」に関する取り組みでは、高価格帯商品のeKYC必須化、AIの活用による不正利用者の検知、「メルカリ鑑定センター」設立などで、商品不備等の問い合わせは前年同期比17%改善したという。また、「全額補償サポートプログラム」の開始に伴い、保証を伴う問い合わせの解決率も同2.2倍に増加した。

メルカードやメルペイ等のFintech事業は、売上収益142億円(前年同期比22%増)、コア営業利益は27億円(同23億円増)と安定的な増収増益。「定額払い」の成長に加え、メルカリ内外における「分割払い」の利用が増え、債権残高が伸長した。

US事業については、GMVが前年同期比0.4%増の1億9,400万ドル、コア営業利益は6億円で前年同期比14億円の改善となった。プロダクトのコア体験強化や、エンタメ・ホビーやファッション等も伸長したことで、GMVは8月からプラス成長に転換。通期のGMVプラス成長を目標としていく。

通期業績予想は、営業収益2,000~2,100億円、コア営業利益280~320億円と設定。27年6月期に向けた「仕込みの年」としており、増益を伴うトップライン(売上収益)成長を目指す。また、決算発表資料では、注力事業のひとつとしてマーケットプレイスにおける広告(Ads)を挙げている。