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ファミマ、社員の肥満率上昇 サラダとファミチキの社員向けクーポン配布

ファミリーマートは、20~30代の社員で肥満傾向が増加していることを受け、対象となる社員向けにサラダ無料クーポンなどを配布する健康経営施策を実施する。店舗で販売している商品の中から「バランスの取れた組み合わせ」を、同社の管理栄養士が考案し「健康クーポン」として対象社員へ配信する。

同社は2019年に「健康管理室」を立ち上げ、社員の健康を重視する経営を進めてきた。一方、25年7月に初めて発行した「健康白書」では、20~30代の社員において、肥満傾向が増加していることを公開。

社員の健康診断の数値から肥満率を算出しており、肥満率の改善のために特定保健指導には力を入れているが、改善者がいる一方で新たに肥満に該当する人も多い状況だという。肥満率は2021年が34.6%だったのに対し、2024年は37%と上昇している。

肥満率は2021年が34.6%だったのに対し、2024年は37%と上昇

こうした状況を改善するためには、食事と運動、どちらもバランスよく意識すること、さらに習慣化して継続することが重要だとし、今回、自社商品とファミペイのクーポンを組み合わせて習慣化につなげる取り組みを企画した。

第1弾は、健康管理室で選定した社員(健康行動をとってほしい社員)約700名にクーポンを配布する。1週目(10月14日~20日)は「3種ネバネバ具材と大根のサラダ」無料クーポン1枚で、2週目(10月21日~27日)は「3種ネバネバ具材と大根のサラダ」100円引きクーポンと「ファミチキ」50円引きクーポンを配布する。対象の社員にはメールで通知され、「ファミペイ」アプリを通してクーポンを入手できる。

「3種ネバネバ具材と大根のサラダ」無料クーポンを配布する

「ファミチキを食べていいの? と思われるかもしれませんが、揚げ物は野菜や海藻などと一緒に食べると、食物繊維が脂質や糖質の吸収を穏やかにしてくれます。特に海藻は食物繊維を豊富に含んでいるので、今回のサラダとファミチキをセットにしました。また、サラダでは不足するタンパク質と脂質をファミチキで補えるというメリットもあります」(ファミリーマート 管理本部 人事部 健康管理室マネジャー 淺田 智美氏)

クーポン対象商品のほかにも、管理栄養士が推奨する組み合わせメニューを健康管理室のサイトで紹介。肉まんには、「豆腐と枝豆のひじき和え」をあわせることを推奨し、食物繊維の多いひじきを肉まんと一緒に食べることで脂質の吸収を抑える。

ファミリーマート 管理本部 人事部 健康管理室マネジャー 淺田 智美氏
肉まんには、「豆腐と枝豆のひじき和え」をあわせることを推奨

食べたいものを我慢しようとすると習慣化が難しいため、「一緒に食べるもの」と「食べる時間」を考えた組み合わせで提案していくという。

例えばメロンパンは脂質や糖質が高いが、朝食にすることで1日のエネルギーに変えるといった食べ方を推奨。「菓子パン朝食セット」として、「半熟ゆでたまご」「食物繊維3.3g 5品目野菜のごまマヨサラダ」「のむヨーグルトプレーン」の組み合わせを提案している。タンパク質と食物繊維を一緒にとり、なるべく野菜から食べることで血糖値の急上昇を防ぐ。

メロンパンやゆでたまごを組み合わせた「菓子パン朝食セット」
炭水化物、タンパク質、野菜をバランスよくとれる「忙しい時のワンハンドセット」。紅しゃけおにぎり、グリルチキン、野菜スティックを組み合わせた

これらの商品セットの提案は社員向けのサイトで紹介されるが、今後は一般向けの公開も検討していく。

また、今回のクーポン配布から対象者へのアンケートも実施し、2026年1月~2月に第2弾も検討する。2028年度には肥満率を29%まで低下させることを目指していく。