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保管期限切れの落とし物を再販する「findリユース」

AIを活用した忘れ物検索サービス「find」は、鉄道会社や商業施設などで廃棄対象となる「満期遺失物」を再販するリユース事業「findリユース」を開始した。すでに北大阪急行電鉄、東急不動産SCマネジメント、渋谷スクランブルスクエアなどが導入している。

満期遺失物は、拾得から3カ月以上持ち主が現れなかった物品で、従来は施設側に所有権が移ったのち廃棄されるケースが一般的だった。例えば百貨店では月600件超の廃棄対象が発生し、処理にかかる人件費や廃棄費が負担となっていた。

findリユースでは、こうした遺失物のうち状態のよいものを回収・検品し、メルカリShops上の「find shop」などを通じて再販。販売収益は手数料を差し引いたうえで拾得施設に還元される。企業側の導入負担はなく、廃棄コストの削減と収益化が可能となる。

導入プランは2種類。企業が無償で遺失物を提供し、得られた粗利の20%を還元する「シェアモデル」と、遺失物を有償で引き取る代わりにその場で収益化できる「買取モデル」を用意している。

再販実績としては、スニーカー(5,000円)やアクセサリー(3,000円)、充電器(2,500円)などが取引されており、400点以上が出品済み。ある百貨店では、月10万円かかっていた廃棄費用がfindリユース導入により2万円の収益へ転換され、実質12万円分のコスト削減効果が得られたという。

環境面でも効果が確認されており、メルカリの研究組織「R4D」によると、再販を通じたCO2削減量は1,272.8kgに達した。これは家庭用エアコンを約3,500時間稼働させた場合と同等の削減量とされる。