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都立初のアイスリンクを見てきた 五輪会場の東京辰巳水泳場を改修
2025年9月2日 17:30
東京都は、9月6日にオープンする「東京辰巳アイスアリーナ」をメディア向けに公開した。東京2020大会で水球の会場として利用された「東京辰巳国際水泳場」をアイスリンクとして改修した施設で、都立施設として初めてのアイスリンクとなる。利用料金は一般1,200円など。
メインリンクとサブリンクがあり、メインリンクは国際規格に対応していて大会の開催も可能。サブリンクにはカーリングシートを常設している。広さは、メインリンクが60×30m、サブリンクが47×17m。利用可能競技はフィギュアスケート、アイスホッケー、ショートトラック、カーリング、パラアイスホッケー、車いすカーリング。
東京辰巳国際水泳場は1993年8月に開業。同施設と同じ辰巳エリアでは東京2020大会に向けて、水泳場「東京アクアティクスセンター」が2017年に着工、2020年竣工した。そのため、東京辰巳国際水泳場を東京アクアティクスセンターとは異なる機能を有するスポーツ施設と活用する検討が、2017年に始まった。
案としては、アイスリンクのほか、プール、アリーナ(体育館)があったが、プールや体育館は都内に多数あるものの、アイスリンクは5施設しかなかったことから、都民にアイスリンクでスポーツをする機会を提供するため、2019年に通年のアイスリンク施設として整備することを公表した。東京辰巳国際水泳場の閉館は2023年3月で、同年4月より改修工事を開始した。
改修にあたっては、水泳場の構造・設備をできる限り活用してアイスリンク施設を整備したという。メインリンクは元々メインプールとダイビングプールがあった場所。そこに鉄骨架台、コンクリート、冷却するためのパイプ、さらにコンクリート、その上に氷と、プールの上にかぶせる形でアイスリンクを設置した。
アイスリンクは製氷車を使って整備を行なうが、その中で製氷車から氷を捨てるという作業が発生する。捨てる場所は、通常のプールよりも深くなっているダイビングプールがあった場所に設置した。
サブリンクはサブプールがあった場所に設置。カーリングでの利用に対応している。カーリングでは氷上を真っ平に仕上げる必要があるため、製氷機に加え、繊細な整備を行なうためのマシンが使われる。
観客席は、固定席が約3,600席(2階席約1,500席、3階席約2,100席)、仮設席が約1,400席(1階)。固定席はメインリンクの一方向のみで、観客席から見える2カ所に大型モニターを設置している。また、車いす観客席や車いす対応トイレ、授乳室を備えている。
利用料金は1回券の場合、一般が1,200円、高校生が1,000円、小・中学生が800円、未就学児が400円。障害者は無料で、付き添い者は障害者1名に付き1名無料。スケート靴レンタルは400円。回数券や団体料金も用意する。また、専用利用の場合はメインリンク1.5時間利用で37,500円~など。
9月6日に開業記念イベントが行なわれるほか、9月から11月にかけて、2025 東京都フィギュアスケート選手権大会、東日本学生フィギュアスケート選手権大会、東日本ショートトラックスピードスケート選手権大会が予定されている。
所在地は東京都江東区辰巳2-8-10。アクセスは東京メトロ有楽町線 辰巳駅から徒歩10分、JR京葉線・有楽町線・りんかい線 新木場駅から徒歩13分、JR京葉線 潮見駅から徒歩15分。改修にあたっての老朽化対応なども含めた整備費は約59.3億円、その他大型映像装置等の導入は約9.1億円。


















