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シャープからポケットに入るともだち ロボ+AI「ポケとも」

シャープは20日、対話AIキャラクター「ポケとも」を発表した。第1弾として、ミーアキャットをモチーフにしたロボットとスマートフォン向けアプリを11月に提供開始する。

ロボット本体の価格は39,600円、アプリの利用料金は月額495円~。故障時の修理料金をお得にできるケアプラン(330円/495円)も用意する。各ECサイトでは同日より予約受付を順次開始し、発送は11月を予定している。

“ポケットサイズのおともだち”がコンセプト

「ポケとも」は、“一緒にいると毎日がもっと楽しくなるポケットサイズのおともだち”をコンセプトとするAIキャラクター。開発は、同社のコミュニケーションロボット「ロボホン」の開発チームが担当し、対話型AIの新たな柱として本格展開する。

ロボット本体は身長約12cm・重さ約200gのコンパクト設計。お腹のLEDランプを虹色に光らせるなど、視覚的な表現や身振り手振りで感情を伝える。別売の専用ポーチを使えば、ポケットやカバンに取り付けて持ち歩くこともできる。

ロボホンとポケとも

シャープ独自の対話AI「CE-LLM」搭載

本製品には、シャープ独自の大規模言語モデル技術「CE-LLM(Communication Edge - Large Language Model)」を搭載。エッジ処理とクラウド処理を組み合わせ、スムーズかつ自然な会話を実現する。

主要なAI処理や記憶はクラウドで行ない、相槌など即応性の求められる動作はローカル(端末内)で処理される。OpenAIのGPT-4 miniをベースに動作。ポケともで撮影した画像は一時的に解析されるが、保存はされないほか、本人以外の人物が映った場合はプライベートな会話を抑制するなど、プライバシー対策も講じられている。

共感知性で“寄り添う会話”

CE-LLMには、ユーザーに共感し寄り添うための機能「Empathy Intelligence(共感知性)」を搭載。会話履歴やプロフィールに加え、音声の抑揚、天候や位置情報、カメラ映像、ニュースなどの外部情報を統合的に分析し、よりパーソナルな対話を可能にする。

スマートフォンアプリ版では、音声またはテキストによる会話が可能。ロボットとアプリは連携しており、どちらで会話しても内容が同期されるため、体験が途切れることなく続く。ロボットが手元にない場合でも、アプリ単体での利用が可能。

販売目標は10万台 家電や他社IPとの連携視野

ロボットとアプリの利用料は共通で月額495円(毎月400回の会話)。アプリだけの利用も可能なほか、ロボット購入者はアプリの追加課金は不要。月額990円のプレミアムプランでは会話回数の上限が月800回に拡張される。

販売台数の目標は10万台。過去のロボホンやエモパーの開発知見を活かしながら、キャラクター重視の新たな市場開拓を図る。今後はヘルシオなどの家電製品との連携や、反響次第では他社IPとの共同展開も計画しているという。

20〜30代女性がメインターゲット、漫画やSNSでIP展開

メインターゲットは、キャラクター文化に親しみのある20〜30代女性層。ぬいぐるみとお出かけする「ぬい活」との親和性も高く、初期段階からX上でキャラクター認知を進めている。

8月1日からは、オリジナル漫画『ミーアとナナミ』の連載も開始。『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などを手がける、マンガ家・作家エージェント会社のコルクと共同制作し、キャラクターIPの育成と商品開発を同時に進めている。