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JR東日本、26年3月に平均7.1%の運賃値上げ 初乗り160円

JR東日本は1日、2026年3月から運賃を改定すると発表した。鉄道の利用減少や保守作業、安全投資などの増加に伴うもので、平均7.1%の値上げとなる。24年12月に国土交通大臣に申請していたが、1日に申請通り認可された。

今回の運賃改定では、特に東京圏の運賃の値上げ幅が大きくなる。これは、他エリアより低廉としていた「電車特定区間・山手線内」の運賃区分を「幹線」に統合するため。「電車特定区間・山手線内」は、国鉄時代に「競争力のある運賃設定を目的とした首都圏の運賃抑制策」として設定されたが、現在では他の鉄道事業者との運賃格差が逆転・縮小している。また、今後も継続的な設備投資が必要となることから見直しが行なわれた。

「電車特定区間・山手線内」を廃止

きっぷ運賃は1円単位の端数を四捨五入から切り上げへ変更。これによりIC運賃は、きっぷ運賃より低廉または同額となる。

初乗りは160円。11km以上の幹線の運賃は、11km以上300km以下の賃率を16.96円(+4.7%)、301km以上600km以下に適用する賃率を13.45円(+4.7%)へ引き上げ。地方交通線の運賃は現行と同様、幹線の賃率を1.1倍した額となる。601km以上に適用する賃率は据え置きする。

例えば東京駅から新宿駅は現在の210円(ICは208円)から260円(253円)、東京駅から横浜駅までは現在の490円(483円)から530円(490円)に引き上げとなる。

通勤定期旅客運賃は平均12%、通学定期旅客運賃は平均4.9%引き上げ。オフピーク定期券は、改定後も通勤定期券より15%割安なSuica通勤定期券として継続するとともに、範囲を拡大する。なお首都圏の一部エリアで実施中の「オフピークポイントサービス」は、オフピーク定期券の設定範囲の拡大に伴い2026年3月末をもって終了する。

「山手線内均一定期券」(1カ月14,970円)は廃止する。運賃改定日については決まり次第、発表予定。

JR東日本では、今回の運賃改定にあわせて理由や背景などを説明する特設ページを開設。値上げへの理解を求めている。

【訂正】記事初出時の運賃の値上げを誤って記載していたため、修正しました。