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NTT株式会社の誕生 「世界と戦うために」
2025年7月1日 14:23
NTTは、CI(コーポレートアイデンティティ)を刷新し、商号を「NTT株式会社」に変更した。新たなコーポレートロゴも採用する。
CIの刷新は5月に明らかにされており、商号が「日本電信電話株式会社」から「NTT株式会社」になるほか、英名も「NTT, Inc.」になる。ロゴデザインは「ダイナミックループ」を継承する一方、「NTT」のフォントとカラーはグローバル市場ですでに使用していたものを“逆輸入”した形で、色はブルーで統一されることになる。新ロゴデザインはドコモをはじめグループ各社のコーポレートロゴにも反映される。
新たなコーポレートロゴを披露する“新生NTT”のカウントダウンセレモニーに登壇した島田社長は、民営化からの40年で売上は4兆円から14兆円へと拡大した様子を語ったほか、それらは社員の努力の賜物であったとして、社員に感謝を述べた。最後には島田氏が「新たな40年に向けて、頑張るぞ! おー!」と声をかけ、会場に集まった社員が「おー!」と唱和してセレモニーが締めくくられた。
日本電信電話の40年
「1985年に民営化し、日本電信電話として40年の道のりを歩んできた。『ダイナミックループ』のもとで、事業をダイナミックに変容させてきた。民営化当時は国内だけの事業で、売上は4兆円強だった。この40年間で、海外の売上3兆円強を含め、今や14兆円の事業グループになった。これはひとえに、お客様、株主様、関係会社、取引先の方々の温かい支援と、社員の努力の賜物。本当にありがとうございます。
今日は新たな40年に向けて、新生NTT株式会社として第一歩を踏み出す。社員34万人の皆さんとともに、さらなる大きな成長を遂げてまいりたい。新たな40年に向けて、頑張るぞ!」
世界と戦う「NTT」に
島田氏は商号の刷新やロゴの変更について、時代に合わせた変更であるとする。「社名を変えるまで、長い道のりだった。NTT法も変えてもらい、今日を迎えることができた。今の私達の事業は、電信ではないし、音声の電話も売上の10%強ぐらいしかない。『NTT』として、これからグローバルな世界で前進していくのにふさわしい名前になった。ぜひご期待ください」(島田氏)。
セレモニーのスピーチでも触れられていた「次の40年」に期待することを聞かれると、「40年後にどういう事業をしているか、わからないが、その一端として、万博のNTTパビリオンで紹介しているものがある。また、これから一番大きな社会課題はエネルギーの問題。データドリブンの社会になると、さらにエネルギーを使うことになる。それをどう減らしていくかや、新たな、価値の高いコミュニケーションの手段を、我々が提供していく」とし、先端技術とともにエネルギー問題への取り組みも深めていく方針。
グローバル展開におけるNTTの強みを聞かれると、島田氏は、幅広い事業領域と答えている。「NTTは、ビジネス領域ではインフラから業界向けアプリケーションまで、フルスタックで事業を持っている。こういう事業体は世界でも非常にユニーク。どういう種類のお客様でも満足いただけるものを提供する。これをグローバルでしっかりと展開していく。社会課題を解決するようなソリューションもこの中に組み込んで、さらに豊かな世界を作ることに貢献していく。日本のパートナーを含め、世界中のパートナーとともに成長していきたい」。
民営化の後に分割された事業が、再び集合している点については、当時の分割は時代の要請であり、例えば米国でも時代に合わせた離散集合が起こっていると指摘、「世界で戦えるだけの体力が必要。フルスタックで提供できる事業体になる必要がある。NTTグループで一丸となって、海外の競合と戦える環境を作ることが重要」とし、事業体の強化は今後の成長に必須という考え。
「日本は悲観する必要はなく、世界と戦える企業がたくさん出てきている。我々も世界で戦える、切磋琢磨できる体制を整えて、良い世の中を作ることに参加していく。グループの力を結集して、パートナーとともに成長できるよう頑張っていく」。