ニュース

これからの働き方は“エージェントボス” マイクロソフト「Work Trend Index」公開

マイクロソフトは23日(米国時間)、AI時代における働き方の変化をまとめた年次報告書「2025 Work Trend Index」を公開した。報告書では、AIと人が協働する新たな組織モデル「フロンティア企業」の台頭が取り上げられている。

本調査は、Microsoft 365の利用動向やLinkedInの雇用データを基に世界規模で実施され、今年はAIスタートアップや経済学者などの専門家による分析も加わった。日本を含む調査対象国のリーダーのうち、約8割が「今年は戦略と運営の核心部分を再考する重要な年」と位置づけている。

報告書によると、フロンティア企業は「即座に利用可能なインテリジェンス」「人とAIエージェントの協働」「AIエージェントを管理する“エージェントボス”」を中核とする。これらの企業では、従業員の71%が自社の成長を実感しており、平均的な企業の37%を大きく上回る結果となった。

AIは人員数や専門知識に縛られることなく、必要に応じて規模を拡大できる業務になくてはならない存在とし、個々に求められるスキルと実際のスキルとの能力ギャップを埋めることが可能。リーダーの53%が生産性の向上を必要としている一方で、業務時間やエネルギーが不足していると報告されている。さらに、平均して2分ごとに会議やメール、通知等で自分の業務の中断を余儀なくされているとし、今後はこの能力ギャップを埋める必要がある。

AIによって知識やスキルの民主化が進む中、従来の組織図も変化。成果志向の流動的なチーム編成が主流となりつつあり、人とAIエージェントが業務を分担する体制が整いつつある。報告では「人とエージェントの比率」を新たな指標として設定し、業務内容に応じた最適な人員配置が求められると指摘している。

また、すべての働き手がAIエージェントを指導・管理する“エージェントボス”としての役割を担うようになるとの見方も示された。AIとの共創を前提としたスキルやマインドセットの習得が、キャリア形成においてますます重要になっている。

さらに、同日発表された「Microsoft 365 Copilot」の新バージョン「Wave 2 Spring」では、OpenAIのGPT-4oを搭載したAIエージェント機能や、エンタープライズ向け検索機能の「Copilot Search」、ユーザーデータを分析し、具体的なアクションを結びつける「Copilot Notebooks」、部署や企業ごとにエージェントを管理する「Copilot Control System」などが追加された。