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キッチンと洗面台合体「MIXINK」など、三菱地所レジ「ルーモット」外販開始
2024年8月26日 18:56
三菱地所レジデンスは26日、同社の賃貸マンションシリーズ「ザ・パークハビオ」向けに展開している独自の住空間創出製品「Roomot(ルーモット)」を外販していくと発表した。洗面化粧台とキッチンを一体化した「Roomot MIXINK」などを同社以外のマンションでも導入可能となる。
Roomotは、「限られた生活スペースにおける『自分らしい暮らし』」をコンセプトとし、従来必須とみなされてきた一部の住宅設備の機能を省きながら、居住空間の快適性向上を図る提案型製品。
第1弾として'21年に導入した「Roomot MIXINK(ミキシンク)」は、洗面化粧台にキッチンを合体。第2弾は浴室をなくして生活ペースを創出する全面タイル張りのシャワーユニット「Roomot Luxwer(ラグジャー)」、第3弾は収納にデスク機能を追加した「Roomot Desco(デスコ)」、第4弾は「バスタブ」と「洗い場」を兼用とした省スペースな浴室空間「Roomot BathMor(バスモル)」を展開している。
例えば25m2のワンルームでMIXINKを導入すると、水回りの削減により居室空間を10畳以上にできる場合もある。Roomotの各商品は高級感ある仕上げになっているが、それ単体ではなく、省スペース化による「居住空間の拡大」を含めた価値提案を行なっている。
従来は同社「ザ・パークハビオ」向けに展開していたが、今回、このうち「MIXINK」「Luxwer」「BathMor」を、同社以外の賃貸マンション管理会社やマンションオーナー向けにも販売していく。
MIXINKはタカラスタンダードが販売、LuxwerとBathMorは日ポリ化工が販売開始。三菱地所レジデンスは、Roomotの商標と意匠権をメーカーに利用許諾し、各社が販売する台数に応じて利用許諾料を徴収する仕組みとなる。
同社が2021年からRoomotシリーズを自社向けに展開する中で、賃貸マンションオーナーなどから「売って欲しい」という要望が多く寄せられていたという。そのため、他社にも販売しながら、Roomotのブランド認知を拡大していく。
あえて削り、居住空間の“広さ”の価値を提案
三菱地所レジデンス 建築マネジメント部 グループマネージャーの近藤都氏によれば、現状では、MIXINKが特に引き合いが多いという。MIXINKは、キッチンと洗面台を統合することで、居室を広くし、くつろげるスペースを創出する。一人暮らしの人で多い、『キッチンを使ってない』という声に応え、シンクを洗面台としても使えるデザインにしながら、鏡付きの収納棚を付けたキッチンとなっている。
洗面化粧台とキッチンという2つの水回り住設機器を1つにまとめることで、省スペース化でき、開いたスペースを居室に振り分けることで、同じ面積でも居室空間を拡大できる。Roomotシリーズは、比較的高級な賃貸向けに企画されているが、MIXINKの場合、2つの水回りを1つに集約できるため、コスト面でも有利な面があり、特にリフォーム需要などで選ばれやすいという。
Luxwerはバスタブを使わない人向けのシャワーユニット。BathMorはバスタブと洗い場を兼用し、「たまにはお風呂に入りたい」というニーズに応えられるという。いずれもシャワーユニットとしては高級感あるデザインで、ライフスタイルにあわせた部屋選びの提案として展開していく。
三菱地所レジデンスの「ザ・パークハビオ」では、Roomotを「自分らしく活用できるスペースの創出」に活用。これまでの賃貸マンションでは駅距離や賃料が主な検討項目で、「25m2のワンルーム」では似たような間取りが多くなっていた。そこで、同じ面積でもライフスタイルにあわせて、“暮らしかた”を選べる提案として展開してきた。結果として、同面積の部屋でも、Roomot仕様の部屋のほうが賃料は高く設定できているという。
こうしたRoomotが生み出した“価値”を他の物件でも簡単に導入可能にするのが今回の外販となる。他社にもRoomotを広げていくことで、多くの物件の付加価値向上を見込めるとする。今回の外販事業は売上拡大よりは、Roomotのブランド拡大を重視しているという。
なお、新築と中古のリニューアル需要では、「どちらかといえばリニューアルニーズが多くなると思っている」(近藤氏)とのこと。MIXINKにおいては、水回りの削減とともに、居室空間の拡大が図れることが大きな特徴となる。
シャワーユニットのLuxwerやバスタブ付きのBathMorについては、ユニットバスの置き換え需要なども想定。特に、浴室/洗面台/トイレがセットになった3点ユニットバスは、最近の若者からは敬遠される傾向が強いとのことで、こうしたリニューアル需要も見込めるという。
なお、Roomotでは、収納にデスク機能を追加する「Roomot desko(ルーモット デスコ)」も展開しているが、これは外販の対象外。収納棚ということで、構成の柔軟性が高く、独自の意匠の定義も難しいためとのこと。Roomotでは、今後も限られた居住空間で快適に暮らすための新製品を予定している。