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駅の騒音にあわせて放送音量を調整 さいたま新都心駅

JR東日本とパナソニック コネクトは、誰もが聞き取り易い放送装置「放送音量自動制御システム」を開発した。周囲の騒音をリアルタイムで集音し、常に聞き取り易い放送となるように放送音量を自動で調整するシステム。さいたま新都心駅コンコースで本格的に稼働させる。

駅では、列車の走行音など周囲の騒音が大きく、発着列車の有無等でも騒音の変動があり、必要な情報を放送しても正しく内容が伝わりづらい状況があった。今回のシステムは、JR東日本の駅の音環境に関する知見と、パナソニック コネクトの駅放送技術をかけあわせて開発された。

常に変動するコンコース内の騒音を、騒音センサーによりリアルタイムで集音し、騒音と放送音量の差を適切に常時維持するように放送音量を自動制御する(騒音量+7~10dB程度)。これにより、過剰にうるさく感じることなく聞き取り易さの向上が図れる。

駅コンコースの騒音をリアルタイムで取得する際、騒音センサーからは騒音の他に音量制御された案内放送自体も拾うことになるが、自身の案内放送の影響を除外して騒音量を推測できる。

放送音が過剰に大きくなる(うるささの閾値を超える)場合には、一定レベル以上に放送音量が大きくならないよう自動で音量を抑える機能を搭載している(ピークカット機能)。

特別なインターフェイスを必要とせず、簡単な作業で既存放送設備に組み込むことが可能。既存放送設備との接続は、ボタン1つでON・OFFを切替えられる。これにより状況に応じて、優先度の高い誘導案内などのアナウンスへ瞬時に切り替えることができる。

これまで、2020年3月に高輪ゲートウェイ駅開業に合わせてコンコースで稼働試験を行なっていたが、2023年8月にさいたま新都心駅コンコースで稼働試験を開始。12月11日から同駅で本格稼働を開始した。

高輪ゲートウェイ駅での試験稼働の状況