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高輪ゲートウェイ駅、QRコード改札など新駅サービス設備多数導入

JR東日本は、2020年春に開業する山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」の概要を発表した。AIを活用した案内ロボットや自立移動型ロボットの試行導入、QRコード対応の自動改札機や多様なデジタルサイネージの設置、VRを活用した魅力発信など最新の駅サービス設備の導入や実証実験を進めるとしている。

高輪ゲートウェイ駅は、「グローバルゲートウェイ品川」をコンセプトに、2024年頃のまちびらきを予定している新しい街の核として、東京と世界をつなぐ玄関口となることを目指している。JR東日本グループのさまざまな「やってみよう」を盛り込むという。

駅のデザインでは、隈研吾氏をデザインアーキテクトに迎え、国際交流拠点の玄関口として、随所に和を感じられるデザインとしている。

日射の熱反射率が高く、光を透過する膜屋根を採用し、内部の温度上昇を抑制しながら、日中の照明電力量を抑制。東北の国産木材を利用しているほか、太陽光パネルや小型風力発電機を設置。さまざまな環境保全技術(エコメニュー)を駅に導入する「エコステ」として、環境配慮に取り組んでいる。

駅構内には、最新技術を用いたロボットや駅サービス機器を試行導入する。AIを活用した案内ロボットやデジタルサイネージが乗り換え情報や駅前で行なわれるイベント情報を案内するほか、予め設定した移動経路を巡回して不審物等を検知する警備ロボット、駅構内の清掃を行なう清掃ロボットを試行導入する。また、広告宣伝を行なう移動型ロボットや、駅構内のユーザーの移動を支援するロボットの実証実験を実施する。

固定式でAIを活用した案内を行なうのは、デジタルサイネージの「駅案内AIサイネージ」「BotFriends Vision」「AIさくらさん」と、コミュニケーションロボット「EMIEW3」+日立のデジタルサイネージ。それぞれ日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語に対応。話しかけるだけで、音声認識と自然言語処理で駅構内や乗り換え情報を案内。EMIEW3はニーズに合わせて持ち味を活かした案内をするとしている。

BotFriends Vision
AIさくらさん
EMIEW3+日立のデジタルサイネージ

警備には、セントラル警備保障と日本ユニシスが共同開発したロボットを試行導入。設定された移動経路を巡回しながら不審物を検知、発報するほか、不審者にはサイレンやフラッシュライトの点灯で威嚇する。巡回中は上部のLEDライト点灯とスピーカーからの音声通知で安全走行に配慮するという。

清掃では夜間帯に自動清掃する「EGrobo」を試行導入、駅に固定設置されたセンサーから混雑情報を受信して清掃を行なう「CLINABO」の実証実験を行なう。ともに人や障害物を検知すると自動で停止、回避するという。EGroboは稼働状況をメールで通知、CLINABOは、設定された経路と混雑状況を組み合わせて清掃を行なうとしている。

左から警備ロボット、EGrobo、CLINABO

移動式で案内と広告宣伝を行なう「Station Service Robot」と案内コミュニケーションロボット「HOSPI(ホスピー)」を設置。Station Service Robotは、設定された移動経路と混雑情報に従い、コンコースを巡回。ディスプレイを利用し、駅構内の案内などを行なう。

HOSPIは、設定された移動経路に沿って、乗車案内を画面表示と音声案内を行なうほか、エレベーター、トイレ、鉄道テラスへの移動案内を実施。設定した目的地まで先導案内できるという。

移動支援では車いすタイプのロボット「WHILL NEXT」を利用。HOSPIに追従し、目的のコンコース内施設までの移動を支援するという。乗換駅など、移動距離が長い駅におけるサービス提供を目指し、実証実験を行なう。

左からHOSPI、WHILL NEXT

新たな駅サービス機器としては、車いすの人でもタッチしやすい自動改札機を試行導入する。QRコード読み取り部分も搭載し、モニター評価実験を行なう。

新型自動改札機イメージ

放送システムは、駅コンコースのでの喧噪音を感知し、放送音量を聞き取りやすい音量に自動制御するという。

列車運行情報を表示するデジタルサイネージや、券売機上部の地図式運賃表には液晶ディスプレイモニターを設置し、日本語と英語で切替表示。改札内には高輪ゲートウェイ駅が建つ地の過去と目指す未来など表現した映像を放映する「鉄道テラスビジョン」を設置するほか、トイレの姿見には季節感を感じられる演出がなされるサイネージミラーを採用するなど、多様なデジタルサイネージを配置する。

鉄道テラスビジョンイメージ

駅構内には無人AI決済店舗の「TOUCH TO GO」が常設店として初めて誕生する。

高輪ゲートウェイ駅に無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」1号店

改札外にはスターバックスコーヒーの新店舗が出店。Suica等の交通系電子マネーに対応するほか、「Mobile Order&Pay」を導入。店内にはブース型シェアオフィス「STATION BOOTH」を設置し、多様化する働き方への対応を目指す。

また、JR東日本と日本航空が連携し、五感で旅を疑似体験できるVRの技術を活用した機器を利用した、旅の魅力発信に関する実証実験を行なう。視覚や聴覚に加え、香りや風、ミストなどを活用して、現地の魅力を再現。ユーザーにバーチャルな旅体験を提供する。設置場所はスターバックス コーヒー 高輪ゲートウェイ駅店(仮称)内。

旅の魅力発信サービスイメージ