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Android 14提供開始 カスタマイズ強化や健康データ一元管理

Googleは、スマートフォン向けのOS「Android 14」を公開した。カスタマイズ性や健康関連の機能が拡充されている。10月4日発売のスマートフォン「Google Pixel 8 Pro」「Google Pixel 8」に搭載され提供が開始されている。今後、順次ほかのメーカーのAndroid端末向けにも提供される見込み。

カスタマイズを拡充

Android 14ではカスタマイズ性がさらに進化し、簡単に壁紙の切り替えが可能。ロック画面ショートカットの設定では、例えばQRコードリーダーやGoogle Homeを設定できるなど、よく使うアプリに直接ワンタップでアクセスできるようになる。

ロック画面のテンプレートでは、フォント、ウィジェット、色、構成を選択可能。AIを使用し、例えば天気が突然悪くなったら天気ウィジェットを強調するなど、状況に応じて画面が調整される。

生成AIによる壁紙作成機能も用意される。事前に設定された候補を選択して組み合わせるだけで、独自の壁紙を作成できる。

生成AIによる壁紙

HDRカメラ

カメラはハイダイナミックレンジ(HDR)が進化し、新たに「Ultra HDR」によるHDR画像のサポートが加わる。Ultra HDRは、鮮やかな色、より明るいハイライト、より暗いシャドウを引き出すことで写真を美しく仕上げられる。現在のスマートフォンのディスプレイは多くがHDR表示をサポートしており、Ultra HDRの画像を綺麗に表示できるとしている。

このほかビデオ通話では自動フレーミング機能も利用できるようになる。

健康データを端末内で一元管理「ヘルスコネクト」

アプリごとに分離されていることが多い、運動、健康、睡眠などの測定データを1カ所に集約して保存し、プライバシーを一元管理できる「ヘルスコネクト」を搭載する。このデータはスマートフォン上で暗号化されて保存され、Googleを含む他者が閲覧したり使用したりすることはできない仕様。WEBGYM、Welby、あすけん、ユビーなどのアプリからヘルスコネクトに接続し、同期することで利用できる。

データへのアクセス許可で詳細情報

Android 14では、アプリがユーザーのデータにアクセスを要求した際に、データがどのように使用されているか、より詳細に把握できるようになる。例えば位置情報へのアクセスをアプリに許可するよう求められた場合、アプリが位置情報を第三者と共有する際に通知が表示され、許可するかどうかについて多くの情報に基づいた決定を下せる。

デバイスの暗証番号(PIN)は、6桁のPINの設定を推奨し、セキュリティを強化。正しいPINが入力されると自動的にロックが解除される(決定ボタンの入力は不要)。

アクセシビリティ向上

視覚障がいや聴覚障がいを持つユーザー向けの機能も拡大。拡大鏡は直感的になり、ピンチ操作で拡大・縮小できるようになった。サイズ変更、拡大画面の範囲のカスタマイズも可能。アプリを切り替えても拡大鏡の使用を継続する設定も用意される。フォントの拡大は非線形のスケーリングで必要以上に拡大されないなど、読みやすさが向上する。

聴覚補助では補聴器を接続した際の直感的な設定機能を用意。通知音やアラートなどがユーザーの要件に応じてカスタマイズでき、通知でライトを点滅させるフラッシュ通知も用意される。

Pixelシリーズにアップデート

Googleはまた、「Google Pixel」シリーズに機能アップデートも開始している。

「Pixel カメラ」はインターフェースを刷新。写真モードと動画モードをスムーズに切り替えられるほか、お気に入りのモードをすぐに使えて、新しいモードも見つけやすくなった。

さらに、Android 14搭載のデバイスであれば「Pixel カメラ」を利用可能になる予定。

Android 14を搭載したGoogle Pixelシリーズでは、新しい時計と壁紙のコレクションを使ってロック画面を自分仕様に変更可能。ロック画面のアクション、通知表示も変更できる。

Google Pixel Foldでは、デュアルスクリーン通訳モードでは、内側と外画の画面を同時に使用して、会話をリアルタイムで翻訳可能になる。

Google Pixel 6以降のスマートフォンやGoogle Pixel TabletでのRAW画像の表示・編集がより簡単になり、写真エディターから直接、お気に入りのRAWエディターで自動的にRAW画像を開くよう選択できる。

Google Pixel 6以降のスマートフォンとGoogle Pixel Tabletでは、電源アダプターやUSBケーブルによるデバイスの充電が遅い場合や、まったく充電されていない場合に、通知が表示されるようになる。バッテリーセーバーもアップグレードされ、何が制限されているかなど詳細を確認できるようになった。

アプリ ストリーミングがChrome OSに加わったことで、Google Pixel端末で使用中のアプリをChromebookにシームレスに切り替えることが可能になった。これにより、例えばChrome OS搭載のノートPCからPixel端末のアプリのメッセージに返信したり、フードデリバリーの状況を確認したりできるようになる。

Google Pixel Tabletで利用できる、Androidタブレットのキッズ モード「Google キッズスペース」は、画面を改善。新しいナビゲーションバーでコンテンツを探す、アプリを切り替える、ホーム画面に戻るといった操作が簡単になった。

このほかタブレットがドッキングされた状態のハブ モードでは、Google アシスタントで話しかけることで、ポッドキャストやニュースを簡単に再生できるようになった。