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ドコモ、スマホを持ち歩くだけで免疫力を推定するAI

NTTドコモは、スマートフォンから得られた生活習慣情報や位置情報などのデータと気象データなどから個人の免疫力変化を予測・見える化する「免疫力推定AI」を開発した。11月から、ドコモが提供する自治体向けヘルスケアサービス「健康マイレージ」の機能として提供を開始する。

スマートフォンから取得できる睡眠情報、運動情報などの生活習慣情報や位置情報などを同意に基づき活用することで、スマートフォンを普段使いするだけで簡単に免疫力の変化を推定・予測できる。

推定・予測結果によるスコアリングおよび免疫力ケアに向けた推奨行動を、アプリ上で毎週情報提供することで気づきを与え、新型コロナウイルスやインフルエンザ、風邪などの感染症対策に資する自主的な意識・行動変容を促す。

自治体に対しては、住民の免疫力推定結果に基づき、スコアリング低減に影響を与えている生活習慣を特定し、その改善に向けたイベント誘導や健康指導を実施する、といった使途が想定されている。

免疫力推定AIでは、「IgA」というウイルスや細菌などさまざまな病原体が体内に侵入することを防ぐ「抗体」に着目。IgAの分泌量が減ると病原体に感染しやすくなり、その分泌量は運動や睡眠などの生活習慣と関連している医学的事実が報告されている。これに基づき、ドコモが培ったビッグデータ解析技術や機械学習などのAI技術をもとに、生活習慣情報等とIgAの日常的な変化との関係性を学習させることで免疫力推定AIの開発を実現した。

免疫力推定AIは、ヘルスケアに関連したさまざまな健康状態や生活習慣などを推定するAIを集約した、ドコモの「ヘルステック基盤」に実装。免疫力推定AIをヘルステック基盤のAPIと連携して利用できる。

健康マイレージは、スマートフォンを活用した自治体向けヘルスケアサービスで、利用者数は60万人以上、累計で133の自治体で利用されている。健康マイレージに含まれる各種機能により意識変動を起こすことで、行動変容に繋げるもので、具体的にはウォーキングマップ機能により位置情報を利用し、地域の散歩コースを巡ったり、写真投稿機能で他の利用者が投稿した写真を閲覧し、撮影場所に行く切っ掛け作りなど、健康に繋がる行動を促す。利用者にあったレベルのランキングも設定され、ライバルと競うことで歩数の増加も見込める。

今後も各種推定AIを提供することで利用者の生活習慣を把握し、スコアリングやナッジ理論を活かしたアドバイスを提供していく。