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日本気象協会、新しい天気予報を開発 “空振り”大幅減へ

日本気象協会(JWA)は、知見を結晶化させたという高精度で安定した気象予測システム「JWA統合気象予測」を開発、あらゆる気象サービスでこの仕組みを使った情報提供を開始すると発表した。

JWA統合気象予測は、高精度・高頻度・高解像度という3つの特徴を備える。国内外のモデルを統合した高精度な気象予測、予測傾向が大きく変動せず安定している高頻度な気象予測、2週間先まで1kmメッシュで提供できる高解像度な気象予測が特徴。

「JWA統合気象予測」の仕様

降雨降雪の空振り・見逃しを大幅に軽減

予測精度は、気象庁の予測と比較して、実際に雨や雪が降った際にそれを事前に予測できていたかどうかを示す「捕捉率」の指標が特に優れているという。すでに実施していた年末年始の気象予測でも、降雨降雪の見逃しが大幅に軽減された、精度の高い予測になっていたという。こうしたことから、「空振りになることも、見逃すこともない、バランスの良い予測を実現している」とする。

観測結果のアメダス(左)と、事前の予測の比較
捕捉率(緑)が特に優れているという
一致率と捕捉率について

3日後までを毎時更新、2週間先までを1kmメッシュで

高頻度に予測を提供しながら、予測傾向の変化が少ないのも特徴とする。78時間先(約3日後)までの予測値は1日24回、345時間先(約2週間)までの予測値は1日4回更新される。これにより、早い段階からの意思決定に気象予測を利用しやすくなる。

また、2週間先までを1kmメッシュで提供する高解像度も備える。きめ細かい予測データにより、さまざまな事業でも気象予測を活用できるようになる。

JWA統合気象予測の仕組み

JWA統合気象予測は、補正処理と統合化処理を行ない、高精度な予測を実現する。

日本気象協会独自のモデル「SYNFOS」や、国内外の複数の気象機関の予測モデルを利用した上で、モデルそれぞれの“クセ”を直して精度を高める補正処理を行なう。その後、各モデルの予測精度に応じた統合化処理を行ない、高精度の予測を算出する。

予測の癖や予測精度は季節や地域によっても日々変化するため、変化に追随するよう補正処理や統合化処理を日々自動的にアップデートするシステムも構築され導入されている。