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横浜銀行、神奈川銀行を完全子会社 合併はせず

横浜銀行は、神奈川銀行の株式に対する公開買付けを開始することを発表。同じ神奈川県を主たる営業地盤とする両行が経営統合することによる、地域社会の持続的発展への貢献、グループの中長期的な企業価値向上を目指す。

横浜銀行は相対的に規模の大きな企業、神奈川銀行は中小企業へのサービス提供で強みを持つ。このような背景から、競合関係が少なく相互補完関係にある両行が同一グループとなることで、神奈川県内における顧客基盤の拡大、それぞれが強みとする領域における対面営業の強化、神奈川銀行による横浜銀行のデジタルチャネル機能の活用を通じた顧客接点の拡充を見込む。

関係当局の許認可等を得ることを前提に、横浜銀行を完全親会社、神奈川銀行を完全子会社とする組織形態とする。それぞれの強みを活かした事業展開を計画していることから、現時点では合併を行なう予定はないとしている。

買付け等の期間は2月6日から4月4日までの40営業日。公開買付対象株式は4,296,596株、買付予定数の下限は2,810,600株、買付価格は普通株式1株につき金1,716 円、第1回A種優先株式1株につき金10,008円。

神奈川県は民間事業所数が全国3位、人口が全国2位と、国内における高い優位性・成長性を持つマーケットである一方で、人口減少、高齢化の進展、ポストコロナやデジタル技術の進展による社会構造の変化、世界的な景気変動リスクや地政学リスクなど不確実性が高まっているという問題があるとする。

地域金融機関は、こうした環境変化へ将来にわたり対応していく必要があり、地域社会の持続的発展への貢献という使命と役割を従来以上に果たすことが求められているとし、経営統合を通じて両行の経営資源を組み合わせ、一体となって安定的な金融仲介機能を発揮することを目指す。