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賃貸できるホームIoT新築戸建「Kolet」 ヤングファミリーに戸建てを

不動産ファンドビジネスを手がけるケネディクスは2022年8月23日、ホームIoTを導入した新築戸建住宅が賃貸できる「Kolet(コレット)」物件に、新たなIoTデバイスとしてスマートミラーの「MIRROR FIT.(ミラーフィット)」を導入すると発表し、実際の賃貸物件である練馬区の新築住宅「Kolet富士見台」で記者会見を行なった。

ケネディクスが国内初のホームIoTを導入した新築戸建住宅を賃貸するサービスとして「Kolet」の提供を始めたのは2021年8月から。アクセルラボの提供するスマートホームサービス「SpaceCore(スペース・コア)」を全戸に導入し、遠隔操作できる電気錠やスマート宅配ボックスなど、IoT化された住宅設備やスマート家電による生活の利便性向上を実現している。

今回、新たに追加導入される「MIRROR FIT.(ミラーフィット)」はミラーフィットが手がけているIoTデバイス。24時間いつでも自宅に居ながらプロが監修した本格的なトレーニングプログラムを行なえる。さらに「MIRROR FIT.」と「SpaceCore」を連携することで、自宅の各設備の遠隔操作やトラブル時の物件管理会社によるサポート対応等も「MIRROR FIT.」の画面を通じて利用できる。

またケネディクスは賃貸戸建住宅215戸を追加取得。取扱件数は486戸となった。物件は全てホームIoT導入済みのスマートホームとして提供されている。平均稼働率は98.2%に達しており、今後年内に2倍超となる累計投資個数1,000戸以上を目指す。

アクセルラボが提供する「SpaceCore」のIoTゲートウェイ。様々なデバイスを連携させるための機器
給湯器などもスマホで操作可能
壁面に埋め込まれたHA端子アダプター
宅配ボックスも連携
エアコンも制御可能
お風呂もスマホで入れられる

「戸建て賃貸」の選択肢をヤングファミリー層に提供

ケネディクス 戦略投資部 投資第四部長 市川悠氏

「Kolet」担当者であるケネディクス 戦略投資部 投資第四部長の市川悠氏は、同社の事業について紹介。ケネディクスは2021年8月に賃貸戸建ファンド事業を開始。飯田グループホールディングス、OPEN HOUSEグループ、三栄建築設計3社と協定を結んで事業を進めている。年内に累計1,000棟以上、資産規模500億円を達成見込みで、中期的には2,000億円程度の資産規模を目指している。

日本の賃貸住宅は狭い。70m2以上に住むには買うしかないと感じている人が多い。ここに買う、借りる、戸建てを買うだけではない第4の選択肢として賃貸戸建て住宅の需要があるとケネディクスでは捉えており、住まい方の変化にも対応できるファミリーサイズの賃貸住宅を提供している。

同社ではシンクタンクとともに4,000世帯弱程度にインタビューを実施し、実際に戸建てには住みたいが適切な供給がないことをつかんでいる。ただし日本では住宅ローンの金利が安い。現在賃貸を選んでいるファミリーは合理的に考えて賃貸や妥協して分譲を選んでいた人が多く、適切な物件があれば、流れてくると考えて「Kolet」事業を進めている。

新しい住まいの選択肢を提供するにあたって、賃貸マンションよりも不便であってはならないと考えて、戸建てに対するネガティブなイメージを払拭するための手段として同社が選んだのが技術の導入、すなわち「スマートホーム」など新しい取り組みだ。セキュリティはスマートロックやカメラで増強し、それらをスペースコアのアプリを通じてリモート管理できるようにした。また共働き世帯向けには生活利便性をあげるサービスを導入してウェルネスを高めている。

このほか、木造住宅によるサステナビリティへの配慮も特徴の一つであり、全産業において4割弱を占める不動産・建設業のCO2排出状況を改善し、サステナビリティや脱炭素の社会に貢献できると述べた。

ケネディクスでは事業計画上は12カ月間のリースアップ期間を見込んでいたが、実際には6カ月程度と大変好調で、仮説のとおりの需要があることを実感しているという。

なお実際に賃貸している顧客層は世帯年収は600~1,600万円とかなり幅広く、30~40台のヤングファミリー層が主体、世帯人数は2~4人となっているという。「ライフステージの変化、たとえば子供が何人生まれるかわからない状態で家を買うのはリスクが高い」と考えている人が借りているケースが多いとのことだった。

会見が行なわれた「Kolet富士見台#03」。賃料は27.8万円

家のなかにもソフトウェアが導入される世界が当たり前に

アクセルラボ 取締役/COO 宇田川大輔氏

「暮らしを次のフェーズへ」とミッションとして掲げているアクセルラボの「SpaceCore」は、導入実績18,000戸以上のスマートホームサービス。様々なデバイスを自動連携させられる。アクセルラボ 取締役/COOの宇田川大輔氏は「スマートホームとは家のなかにある家電や住宅設備を常時、ネットワークに繋ぐことでスマホなどソフトウェアの力を借りて住宅に技術を導入するもの」と紹介。

スマートホーム市場は日本ではまだ普及率6%前後だが、5年後にはおよそ17%程度に普及し、マーケット規模は1兆円くらいになると考えられているという。これには様々な要因が考えられるが一つはコロナで、従前よりも家中で過ごす時間が圧倒的に長くなり、過ごし方も多様化している。これは「価値基準の転換期」であり、宇田川氏は「家のなかにもソフトウェアが導入される世界が当たり前になる」と語った。

スマートホーム市場を牽引しているアメリカでは既に40%近く普及しており、この爆発的普及の立役者はデバイスメーカーではなくプラットフォーマー。アメリカではAlarm.com、COMCAST、Vivint、Honeywellの4大プラットフォーマーがそれぞれIoTプラットフォームを開発し、そこにデバイスをメーカーが供給する構図になっている。今も年間700万戸の住宅がスマートホーム化されているという。つまり今後も、様々なメーカーを束ねられるプラットフォーマーが市場を牽引していくと考えられる。

アクセルラボの「SpaceCore」は主に2つの機能から構成されている。「スマートホーム機能」と「リレーション機能」だ。スマートホーム機能は様々なデバイスを連携制御するための機能。アプリ一つ、一つのユーザーインターフェイスで様々な機器を制御できる。また複数機器を組み合わせることで多様な機能をアップデートしながら実現できる。

リレーション機能は賃貸管理会社用で、入退去によってアクティベーションを自動で行なったり、スマートロック機能を使ってワンタイムパスを発行したり、警備を行なったりできる。入居者とのコミュニケーション機能もある。

スペースコアは今回の「ミラーフィット」など18社のメーカーと連携しており、様々なデバイスや住宅設備、HEMSと連携することで家のなかの連携を高めていくことができる。

Koletに採用されたのは2021年8月からで、電気錠、スマート宅配ボックス、カメラなどが標準採用されており、ミラーフィットを使うことで、鏡を使ってこれらを制御できるようになった。

スマホを使わなてくても操作できる「スマートミラー」

ミラーフィット 代表取締役社長 黄皓氏

「MIRROR FIT.」は10種類以上のトレーニングができるスマートミラー。通常は初期費用として入会金+配送料(33,000円)に加え、デバイス本体費用(164,780円)、そして月額サービス利用料金(6,578円)が必要となるが、Koletではこれらの諸費用は賃貸料金に含まれている。サービス利用料金も1年間は込みとなる。電源をオフにしていれば普通の鏡としても使える。中身はAndroidで、Google Playにも対応している。

ミラーフィット代表取締役社長の黄皓氏は「日本人は運動参加率が低い。3%しか運動に取り組めていない」と実情を紹介。これは今後さらに深刻化する高齢化社会では大きな課題となる可能性が高く、健康な高齢者を増やすためにも運動参加率を上げたいと語った。

だが少なからぬ人がジムを契約しても続かず、解約してしまう。「解約されない健康」の解決策の一つがミラーフィットなのだと紹介した。鏡は「反射」という利便性だけで家庭のなかで活用されている。鏡を使うことで健康との距離が近くなるのだという。

スマートミラー「MIRROR FIT.」

そして「解約されないサービスとは飽きないこと。解約されない機械とは何かと考えたら『ドラえもん』だった。ドラえもんは誰よりものび太のことを理解しているし、甘えたときにいろんなソリューションを4次元ポケットから出す」と例えた。ミラーフィットは鏡のなかでトレーナーの姿を出すだけでなく、カメラを使って鏡前で行なわれる運動データを蓄積し、連動するスマート体重計などのデータも集めて、健康の理解者になる。そして「必要なコンテンツを出せる存在になれれば解約されなくなると考えている」と語った。日々カスタマイズを繰り返していけるという。

様々な運動が可能

また従来のスマートホームはスマホを使って操作する必要があったが、ミラーフィットを導入することで、リビングにおいてある鏡を使ってより自然に、必要な操作が行なえるようになった。「豊かさや生活の価値のあり方が変わってきた。リモートワークやジムなどの役割も家に求められるようになっている。健康という豊かさも提供していくことが価値だと思っている」と語った。

ケネディクスの市川氏も「フィットネスだけだったら導入していない。鏡は自然と視点を集める。アプリを立ち上げなくても利用できる」と利点を強調した。